■構造的インフレの渦中で金は手放せない時代
■インフレ時代の資産
インフレの時代である。21世紀に入ってから様々なモノが値上がりした。原油をはじめとするエネルギー、金などの貴金属、鉄・非鉄金属、穀物を中心とした食糧など、価格が高騰したモノは多岐に渡る。
まさに資源の世紀だ。
さて、様々なモノが高騰したが、中でも金は飛び抜けている。インフレ対策資産としての本領が発揮されたようだ。

■インフレに強いだけではない
無論、金価格高騰は金がインフレに強いというだけではないだろう。ドルの地位が凋落したことで通貨としての側面が評価されたほか、金融危機に効力を発揮したことも高騰の理由だと思われる。21世紀はインフレだけではなく、金融危機や企業不信など、様々な問題が起きている複雑な時代だ。それにうまく対処できる種類の資産はそう多くはない。全天候型の金はバランスが取れた資産と言えるかもしれない。
■信用リスクはなくならない
欧州危機は峠を越えた模様だ。ギリシャのデフォルトが当面回避され、モンティ伊首相が3月末にほぼ収束したと語ったほか、NYダウもリーマン・ショック以前のレベルを回復した。 前代未聞の信用リスクである欧州危機が金価格の上昇を後押ししていたため、利食い売りが相当量出るのではないか、との見方もある。 しかし信用リスクは未だにあらゆる国家・企業につきまとい、なくなることはない。信用リスク対策として、金はこれからも必要とされるだろう。
■100年続く?
さて、インフレはいつまで続くのだろうか。単なる投機が原因なら、機関投資家の動き次第ですぐにでもインフレは終息しよう。 しかし話はそう単純ではない。 特に食糧分野においては地球人口爆発という需給要因がある。しかもそれはさらに深刻化する可能性がある。 場合によっては100年続くかも知れない。インフレ対策は目先の価格を見て行うのではなく、モノの需給構造的な側面を見て決めるべきだろう。金を手放せる時代ではないのだ。

月刊PISC(2012年5月号)より
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