石田 英夫/アナリストの目

NY原油相場、欧州債務危機対策をにらんだ展開
2011/12/08 10:24:14

 7日のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油相場は、前日比0.79ドル安の1バレル=100.49ドルでの引け。11月17日に約6カ月ぶりの高値となる103.37ドルを付けた後、高値修正の動きとなったが、95ドル水準で支えられ、再度100ドルの大台に浮上している。欧州債務問題進展への期待や株高、地政学リスクの高まりが支援材料となっている。

●欧州債務危機対策に注目
 今週8、9日にEU首脳会議が開催される。ドイツのメルケル首相は、首脳会議で財政規律強化などのEU基本条約改正について加盟国が合意し、市場の信頼を取り戻すと強調。市場でも債務危機の打開策が示されるとの期待感が出ている。
 同会議ではユーロ圏の救済の枠組みである欧州安定メカニズム(ESM)の拡充や銀行化案が話し合われるもよう。ESMに銀行免許が付与されれば、ESMを通じて欧州中央銀行(ECB)の流動性を利用することが可能になるという。また、市場が有効な危機対策として期待するユーロ共同債については、独仏首脳が早期導入に否定的な立場を示しているが、EUのファンロンパイ大統領は今回の会議で将来的な導入を提案するとしている。同会議でどのような合意がなされ、それが市場にどのように判断されるがが注目される。
 一方、今週8日に開かれる欧州中央銀行(ECB)理事会も注目材料。ユーロ圏経済を下支えするため利下げをするとみられているが、その他、市場安定化に向けてECBがユーロ圏国債の買い入れ額を拡大する姿勢を打ち出せるかも焦点となりそうだ。

●イラン核開発をめぐる緊張高まる
 国際原子力機関(IAEA)が11月初旬、イランが核兵器の開発を進めていることを示唆した報告を公表。これを受けて欧米など西側諸国はイランへの制裁強化に踏み切るなどイランの核問題をめぐり緊張が高まっている。
 EUは12月1日の外相理事会でEU域内のイラン企業の資産凍結やイラン政府関係者の渡航禁止などの追加制裁措置で合意したが、この時、イラン産原油の輸入禁止措置について話し合われた。結局、イラン産原油の依存度の高いギリシャの反対などで合意には至らなかったが、アシュトン欧州連合外交安全保障上級代表は「引き続き専門家が検討する」と述べ、まだ制裁措置の選択肢にあるとの考えを示している。イラン産原油の禁輸措置については効果や経済への影響などの懸念もあり、導入は困難との見方もあるが、仮に導入された場合には石油価格の上昇圧力となるのは必至とみられており、今後の動向が注目される。
 なお、武力行使の可能性については、パネッタ国防長官が米国の見解として、イランの核開発を阻止するには、武力行使ではなく、外交的圧力や制裁を加えることが最も効果的としており、現段階では低いとみられる。ただ、外交的手段によって解決できなかった場合、核開発に危機を感じているイスラエルが武力行使に及びかねないとの懸念も一部にある。

 今後の相場展開についてだが、目先はECB理事会、EU首脳会議の結果に左右されることになるとみられる。ただ、いずれにしても欧州債務問題打開に向けて各国首脳の危機意識の高まりがうかがわれるなかで、過度に悲観ムードが強まるといった状況ではなさそう。イランの核開発をめぐる緊張の高まりも支持要因でしっかりとした地合いを維持しそうだ。

●アナリスト紹介
 第一商品(株)フューチャーズ24、石田 英夫
現在、フューチャーズ24にて、FAX・メール情報に掲載する市況作成等を担当。テクニカル分析を得意とし、本社セミナーにおいても講師を担当する。

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