長田 泰/アナリストの目

シカゴトウモロコシ、産地天気変化に一喜一憂もファンドショートカバー進む:2017/06/16 18:06:33

 来週のシカゴトウモロコシ相場は引き続き米国産地の天候推移が最も大きな市場の関心事になる。引き続き月末のビッグレポートを控え、ファンドのショートカバーの動きが出やすいため、月内は最近の高値圏での堅調な動きが続くと見る。7月限予想レンジは370〜400セント。

 今週は前線が通過し乾燥した天候が続いていた春小麦生育地域のノースダコタ、サウスダコタも含め降雨があったことで週明け12日は大きく下落し長陰線を付けたが、翌日は前日終値を割ることなく陽線引けし、『陰の陽はらみ線』が出現。15日も下ヒゲの長い陽線となるなど、チャート的に目先上昇を示唆する形となっている。

 15日に発表された13日現在のDroughtMonitorは両ダコタ地域の干ばつ部分は拡大し、アイオワ、イリノイ、ミシガン、インディアナの一部でも軽度の干ばつが観測されている。作付け期以降の干ばつで不作となった2012年のこの時期と比較するとその規模も度合もそこまで悪いものではないが、人工衛星映像分析会社プラナリティクスは、今年の米国産トウモロコシの単収を166.9ブッシェル/エーカーと見込み、自身の前回の見通しから0.5ブッシェル/エーカー引き下げている(農務省の6月需給報告での単収見通しは170.7ブッシェル/エーカー)。
 ドライの程度が2012年ほどではないとしても、今年は当時以上にファンドの売り越しが大きい(2012年6月のファンドポジションはほとんどネットゼロに近かった)。今月末の作付報告、四半期在庫報告という大きなイベントと7月上旬の受粉期という重要な生育ステージを前に、極端な強気材料でなくてもファンドはポジション整理をすべく敏感になっていると思われる。

 ただ、一方で上値では農家売りが待っていると予想される。15日発表された週間輸出検証高によると、新穀の輸出成約高累計は約275万トン、前年同時期と比較すると半分以下であり、やはり南米の豊作が米国産購入の動きを鈍らせていることが示されている。上昇局面では農家売り繋ぎが出やすい状況もまたしばらく続きそうであり、現状の材料だけでは400セントを超えて一気に上昇というのも難しそうではある。

 市場の現在の最大の関心事は産地の天候ではあるが、そのほかに需要面において今週中に米環境保護局(EPA)が、2018年の再生可能燃料の使用義務量を発表する見込みとロイター通信が複数の関係筋の話として伝えた。これまでのところトウモロコシを主原料とする従来型のバイオ燃料は150億ガロンと、変わらないとの見方が大勢だが、2017/18年度はエタノール向け需要が米国産トウモロコシの最大需要部門に躍り出ると見込まれているだけに、こちらの動きも注目だ。

(注)上記の展望は6月16日の夕方時点に作成されたものです。

●アナリスト紹介
 第一商品(株)法人部、長田 泰
 現在、法人部にて国際穀物を中心に商社顧客の取引を担当。2014年TOCOM農産物アナリスト育成セミナー修了者。時事通信、ブルームバークの国際穀物市況等にコメントを提供中。

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