長田 泰/アナリストの目

シカゴトウモロコシ、上昇相場に冷や水、改めて3ドル後半で居所探る:2017/07/14 20:29:07

 来週のシカゴトウモロコシ相場は、今週大幅に下落した後で改めて居所を探る局面。応分の調整買いの後は産地の天候、作柄の状況を注視しながら

 7月の米農産物需給報告では、2017〜18年度の米トウモロコシのイールド予測が170.7ブッシェルに据え置かれた。事前の市場観測では小幅の下方修正見通しが強かったが、元々7月のイールド予測は実地調査を伴わず、机上の計算で行われる。その際、農務省が重視しているのは6月中の主要8州の降雨量であるが、今年干ばつ傾向の強いプレーン北部ではサウスダコタのみは対象になっているものの、ノースダコタ、モンタナなどは対象になっていない。
 市場では今回農務省がイールドを下方修正しても小幅に留めると予想していたのはこうした農務省の傾向もあり、今回据え置かれたものの、それは修正を先送りされたものと捉えているため、今回17/18年度の生産高上方修正は予想の範囲内であり、期末在庫の上方修正も同じく予想の範囲内と思われるが、市場は下げ方向に大きく反応した。その理由は産地の天気予報が高温・乾燥が変化し降雨予報が出たことが大きかったようだ。

 天候相場と言ってしまえばそれまでだが、あまりにも大きく反応したことについて筆者なりに考えてみると、まず、需給報告前に相場が大きく上昇し、それに伴いCFTCが発表するファンドポジションも大きくショートカバーが進んでいたように見えるが、実際にはファンド勢は7月限のショートポジションを12月限以降の新穀限月に乗り換えた後、直近の上昇局面では旧穀(9月限)のロングポジションを増やしていることが分かる。直近2週のオプション込のマネージドマネーポジションは6月27日現在、全体では10万6119枚の売り越し内訳旧穀1万5358枚買い越し、新穀12万1476枚売り越しが、7月3日現在では全体4万6715枚売り越しまで縮小したものの、内訳は旧穀7万4444枚買い越し、新穀12万1159枚売り越しと、新穀のポジションはほとんど変化なく、旧穀9月限のポジションだけロングが急拡大していた。
 ここ最近の上昇の材料は春小麦生産地域のプレーン北部の干ばつ傾向がトウモロコシ、大豆の主産地にまで徐々に拡大しているという新穀生産への警戒感によるものであったが、実際に投機筋は短期狙いの期近買いに留まっていたと言える。加えて農務省の需給報告でも農家平均価格が前回よりりも10セント引き下げられており、短期狙いの買いは急速に手仕舞いに動いたのだろう。

 一般的に農務省は農家フレンドリーな数字を出す傾向が強いと言われているが、今回市場予測が需給バランスのタイト化を見込む声が強かった中で、需給バランス、農家平均価格ともに弱気な数字を出したことは少々意外であった。

 今回据え置きとなったイールドであるが、農務省の干ばつモニターを見ると干ばつ地域の拡大が続いており、今回の需給報告前にもイールドは段階的に165ブッシェル程度にまで引き下げられるという見方が出ていた。イールド165ブッシェルを今回の需給バランスに当てはめると生産高、期末在庫はは5億ブッシェル弱下方修正されることになり、在庫率も今回の16%台から12%台に低下する。今週の急落で一気に冷や水を浴びせられた穀物相場だが、下値では実需の買いも観測されており、次回以降の需給報告でイールドの下方修正される公算が強いことから3ドル台後半で居所を探るという展開がしばらく続くものと見る。

(注)上記の展望は7月14日の夕方時点に作成されたものです。

●アナリスト紹介
 第一商品(株)法人部、長田 泰
 現在、法人部にて国際穀物を中心に商社顧客の取引を担当。2014年TOCOM農産物アナリスト育成セミナー修了者。時事通信、ブルームバークの国際穀物市況等にコメントを提供中。

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