上野 隆/アナリストの目

「ハービー」の影響で原油は下押すも影響は短期で終息か:2017/08/30 15:45:45

 メキシコ湾岸ではハリケーン「ハービー」による洪水の影響で主要な製油所が相次いで操業を停止。燃料生産が中断したため、ガソリン価格が約2年ぶりの高水準に達した。その一方で、製油所停止に伴い、原油在庫が積みあがるとの思惑が浮上したため、原油価格は一時1バレル=45ドル台まで下落。約1カ月ぶりの安値圏に値を沈めた。
 「ハービー」はテキサス州に上陸後、熱帯低気圧に変わったものの大雨は29日も続き、テキサス州やルイジアナ州の広範囲で大規模な洪水被害が発生。海外通信社によるとメキシコ湾岸地区では、精製能力で日量約300万バレル分が停止した状態となっている。また、両州から南米向けのガソリンやディーゼル油の出荷も停止している。ただ、被害が及んでいない米北東部の製油所が稼働率を引き上げており、ガソリンの上昇にも歯止めが掛かる見込みとなっており、影響は短期間で終息に向かうとみている。また、米エネルギー省のスポークスマンが「エネルギー省は、戦略石油備蓄の放出も含め、必要な場合には援助する用意がある」と声明を発表したほか、「ハービー」による被害は、製油所や原油生産施設に長期的な影響を及ぼしたハリケーン「カトリーナ」のように原油価格の急騰を招く事態にはならないとの指摘もある。

 今夜発表される米エネルギー情報局(EIA)週報で、ガソリン在庫が大幅な取り崩しとなれば、短期的に原油相場を押し上げる要因になるものの、製油所停止による荷余り感が上値を抑えることになりそうだ。ただ、前週末に米石油サービス会社ベーカー・ヒューズが公表した米国内石油掘削リグ稼働数は、前週比4基減の759基となった。2週連続で減少となり、価格の伸び悩みに伴うシェールオイル生産の鈍化傾向が窺えることに加え、テキサス州はシェールオイルの主要生産地でもあることから、洪水の影響により今週もリグ稼動数が減少する可能性があるため、下値も限定的にとどまると予想する。
 北朝鮮情勢が一段と緊迫化するような事態に陥らなければ、NY原油相場は1バレル=45ドルから50ドルのレンジ取引を継続すると思われる。

●アナリスト紹介
 第一商品(株)フューチャーズ24、上野 隆
 現在、フューチャーズ24にて、FAX・メール情報に掲載する市況作成等を担当。広範な知識に基づいた情報分析や、テクニカルを駆使した商品分析を得意とする。2016年TOCOM石油アナリスト育成セミナー修了者。

◆ 当コラムに関するご意見・ご要望がございましたら、下記にご記入の上【送信】ボタンを押してください。


※ 当社提供の情報について
本サービスは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的として提供するものではありません。投資方針や時期選択等の最終判断はご自身で判断されますようお願いいたします。なお、本サービスにより利用者の皆様に生じたいかなる損害についても、第一商品は一切の責任を負いかねますことをご了承願います。

ページトップ

金地金
金地金3つのメリット本日の金価格 金地金 購入・売却の手順
商品先物取引
初めての商品先物取引商品先物取引の始め方商品先物取引の税金
マーケット情報
海外商品相場国内商品相場ニュース・市況チャートアナリストの目
無料情報ツール
チャート分析ソフトDi-2モバイルサービスEメールサービス金価格メールテレホンサービスFAXサービス
商品セミナー
経済・商品セミナー講師陣プロフィール