長田 泰/アナリストの目

国際穀物、戻りの時間帯:2017/09/01 20:01:57

 来週のシカゴ穀物相場は、投機筋の買い戻しなどを背景に大豆、トウモロコシともに堅調に推移するとみている。中心限月大豆11月限の予想レンジは930セント〜980セント、トウモロコシ12月限の予想レンジは350〜375セント。

 今週は両者とも週明けから軟調推移したが、月末31日に約12セントの急反発を見せ、先週末水準を回復した。直接的な材料は見当たらないものの、先週25日に納会した9月限オプションにおいて納会後権利行使された枚数(プット枚数―コール枚数)は、大豆が44,934枚―3,931枚、トウモロコシ119,393枚―75枚とプットの権利行使が圧倒的な枚数となったことは、週明けのシカゴ市場の圧迫材料となったのだろう。その一方で9月限に対する玉整理も急速に進み、また、31日から通知された9月限の受渡通知では大豆の通知はゼロだったこと、トウモロコシの通知は初日844枚、二日目も800枚以上の通知が行われたが、現受けの割り当て(最も古い買い玉から割り当てられる)が8月30日の買い玉と、直近最安値を付けた日のものに割り当てられることが判明、渡し玉の実需への消化が進むという見方から、31日の相場は急速に回復した。また、31日引け後に発表された取組高はPRELIMINARY(予備)報告ながら、大豆トウモロコシいずれも前日比増加しており、ショートカバー主体ではなく新規買いが入っていたことを示しており、目先の堅調を示唆する。

 また、直近の豊作年の2014年以降のトウモロコシ12月限の推移を見てみると、2014年はほぼ一貫して9月末まで下降トレンドを歩んだものの、2015年、2016年はいずれも8月末を底に切り返している。今年も過去2年と同じパターンを歩むのではないか。

 今年は南部州の作付進展が早く、これらの州では例年よりも1、2週間早く新穀現物が市場に出回るのではないか、ブラジル産のセカンドクロップが輸出市場に出回る前に農家も積極的に売るのではないかと推測があったが、テキサス州ではハリケーン「ハービー」の影響もあって収穫ペースはここ2週間で急ブレーキが掛かり、今週のクロッププログレスでは遂に昨年実績(55%)を下回る54%に留まった。その他の南部州のアーカンソー州、ルイジアナ州、ミシシッピ州の収穫ペースは昨年実績よりも早いが、作付面積が減少している分、旧穀年度内の新穀供給圧力は昨年並みとほぼ変わらないと見られる。

 もっとも、先週の民間のクロップツアーの結果を見ても、8月の農務省予想よりは多少の単収引き下げ余地はあるにせよ、供給不安になるにはほど遠い状況には変わりない。目先は相場が戻りを入れる時間帯に入ったと見るが、12日の需給報告、または今月末の四半期在庫を確認してもなおファンダメンタルズに大きな変化がなければ、改めてファンド勢は売り攻勢でくる可能性があることは頭に留めておきたい。

(注)上記の展望は9月1日の夕方時点に作成されたものです。

●アナリスト紹介
 第一商品(株)法人部、長田 泰
 現在、法人部にて国際穀物を中心に商社顧客の取引を担当。2014年TOCOM農産物アナリスト育成セミナー修了者。時事通信、ブルームバークの国際穀物市況等にコメントを提供中。

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