横谷 健司/アナリストの目

原油はイベント一巡で方向感を模索か:2017/09/13 15:40:07

 ハリケーン「ハービー」上陸の影響で稼働停止を余儀なくされていた製油所の一部が操業を再開し、過剰な原油在庫の積み上がりに対する警戒感が後退したことから、連休明け5日に大幅続伸となった後、翌6日にはドルが対ユーロで軟調に推移し、ドル建てで取引される原油の割安感が広がり、一時は8月10日以来約1カ月ぶりの高値を付ける4営業日続伸となった。ただ、その後は米フロリダ州に接近中の大型ハリケーン「イルマ」が再び石油精製施設の稼動を停止させ、在庫が積み上がるとの懸念が強まり、8日に大幅安となった後は、「イルマ」が勢力を弱めたことで、在庫積み上がりに対する警戒感が後退したため、48ドル近辺での推移となっている。

 米フロリダ州に週末上陸した大型ハリケーン「イルマ」は11日、徐々に勢力を弱めて熱帯低気圧に変わり、隣接するジョージア州へ移動。州人口の3分の1に当たる630万人に避難命令が出されていたフロリダ州では、広範囲にわたって浸水や停電被害が報告され、一時はエネルギー需要の減退が懸念されたが、8月下旬にハリケーン「ハービー」の襲来を受けて操業を停止していた米メキシコ湾岸周辺の製油所の多くがこの日までに稼働を再開。石油精製活動への影響が長引き、原油在庫が膨らむとの警戒感は和らいでいる。

 石油輸出国機構(OPEC)が12日発表した8月の加盟国の産油量は、前月比0.2%減の日量計3275万5000バレルとなった。産油量の減少は4月以来4カ月ぶり。ただ、昨年11月末に合意した生産上限の3250万バレルは3カ月連続で超過した。
 国別でみると、OPEC最大の産油国サウジアラビアは0.1%減の1002万2000バレルと、3カ月連続で1000万バレル台の生産となった。国別上限(1005万8000バレル)は下回った。イランはほぼ横ばいの382万8000バレル。上限の379万7000バレルを3カ月連続で超過している。国内事情から減産を免除されたリビアは、生産量を急速に増やしてきたここ数カ月から一転、11万2300万バレル減の89万バレル。

 ハリケーンの影響による原油在庫のだぶつきに対する強い警戒感が後退していることに加え、サウジアラビアのファリハ・エネルギー産業鉱物資源相が10日、OPECが主導する2018年3月までの協調減産措置について、少なくとも3カ月延長する方向でカザフスタン、ベネズエラ両国の石油相と協議したと明らかにしたうえ、アラブ首長国連邦(UAE)のマズルーイ・エネルギー相も11日、減産延長を検討することで合意したことが明らかとなったほか、OPECによる減産や石油需要見通しの引き上げなどが原油相場を下支える格好となっている。
 ただ、ハリケーンに対する懸念が後退しているものの、8月前半に50ドル台を回復していた相場の戻りが鈍いことに加え、OPECによる来年3月までの延長はある程度予想されていたため、相場を下支える材料にはなっているが、相場を引き上げ再び50ドルの節目を回復するほどの材料にはなっていない。50ドルを上抜いていくには産油国による減産延長だけではなく、減産の一段の拡大が必要とみられるため、目先は50ドルに近付く場面があったとしても戻り売り局面となる可能性が強く、今後も47〜50ドルでのレンジ内取引が予想される。

●アナリスト紹介
 第一商品(株)フューチャーズ24、横谷 健司
 現在、フューチャーズ24にて、FAX・メール情報に掲載する市況作成等を担当。過去の価格変動や現在の世相を背景にした商品分析を得意とする。

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