次の展開は「ドル安・金高」か

2019/04/01

米国の財政収支

米国の緩和的な金融・財政政策が将来の大きな火種に

米国の政府債務残高の予測

米欧の中央銀行が再び金融緩和路線へ戻り始めている。米連邦準備制度理事会(FRB)は1月に利上げ休止を発表、さらに保有資産の圧縮計画を見直すとし、欧州中央銀行(ECB)も3月の理事会で年内の利上げを断念した。一連の動きは、中国の景気急減速と米中貿易戦争による世界的な影響への懸念がその要因だ。

過剰債務の圧縮に取り組んできた中国には、もともと景気減速懸念はあったが、米中貿易戦争がそれに拍車をかけた。中国が大型の景気対策を発表し、米欧の中銀が早めに手を打ったおかげで世界共倒れ懸念が後退し、1〜3月の世界の株式市場は回復基調にある。だが、「低金利・借金頼み」から一向に抜け出せない。

まだ堅調を維持する米国ですら、その体質は同じだ。トランプ大統領はFRBに圧力をかけ金利上昇を阻止し、財政赤字をさらに膨らませようとしている。3月11日に発表された2020会計年度(19年10月〜20年9月)の米予算教書では、19年度から4年連続で1兆ドル超の財政赤字になるという。もはや財政再建を放棄していると言っても過言ではない。

それを正当化する経済理論が、最近話題になっている。現代貨幣理論(MMT)と呼ばれ、「自国通貨での借り入れが可能な国は、通貨を無限発行できるため、デフォルトに陥らない。政府の債務残高がどれだけ増加しても問題はない」という考え方だ。異端理論として識者からは否定的な意見が相次ぐが、共和・民主両党とも2020年の大統領選に向け、日玉政策の打ち出しに都合のよい道具として利用する可能性がある。

日本でもアベノミクス始動時にリフレ派が主流となり、約2年前には財政赤字を容認するシムズ理論がブームとなった。日本では超金融緩和政策をとっても、財政赤字を拡大させても、心配するような円安や金利上昇やインフレは起きていない。

しかし、基軸通貨国の米国は国債消化を海外に大きく依存しており、財政規律を失えば確実にドルの信認は低下し、ドル安と悪い金利上昇(国債暴落)を同時に引き起こす可能性が高い。今後の大きなテーマは「決められない政治」から「危険な米財政政策」に移行し、金相場はドル安を材料に上昇第二幕が始まると予想する。

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