「リスク・オフの円売り」に備えよ

2019/05/08

日本の名目GDPとマネタリーベースの推移他

日銀の株式ETF買いが、将来の円売り材料に

日銀の株式ETF・国債の保有残高の推移

この5月から令和元年がスタートした。異次元金融緩和を柱とするアベノミクスも7年目を迎えたが、過去6年間の経済成長率の平均は名目1.8%、実質1.2%に留まる。いざなみ景気(2002年2月〜2008年2月、73カ月)を超え「戦後最長の景気拡大の可能性」と言われているが、成長率が低すぎるため、実感が全くないのが実情だ。

安倍政権は名目3%、実質2%の成長率を前提に2020年度に名目GDP600兆円を目標に掲げるが、そのためには今後2年連続で4.5%成長が必要となる。世界経済の減速感が強まる中、その可能性は極めて低いと言わざるを得ない。

その結果、日銀の物価目標も、政府の財政健全化目標も達成されず、政府の借金を肩代わりする日銀の不健全な異次元緩和は、10年以上の長期にわたり続くことが予想される。2016年9月以降は「量から金利」へ政策転換を行ったことでマネーの供給ペースは落ちているが、それでも名目GDPとの逆転(マネーの量が実体経済の規模を超える異常事態)は時間の問題と見られている。

また、最近特に注目されているのが、日銀による株価指数連動型の上場投資信託(株式ETF)の大量買い。2018年は6兆円を超え、2019年3月末の残高は約25兆円に上る。 株式の価格変動リスクは国債よりもはるかに高いため、今後もハイペースで買い続けるようなら、株安局面で日銀は巨額の含み損を抱え込むことになる。そうなれば債務超過懸念か ら日銀の信認は大きく低下し、円安圧力が一気に強まることになるだろう。

今年に入り米欧の中央銀行が急きょ緩和方向へ政策を転換したことで、円高を懸念する見方もあるが、緩和の規模は日銀が遥かに勝る。しかも、資産構成に占めるリスク資産(株式ETF等)の比率が今後も高まれば、「日本株安=円安」という従来とは逆のセオリーが生まれる可能性もある。

国債も株式も官製相場の様相を呈する中、いずれ実体経済の壁が立ちはだかり、その矛盾が出て反転するリスクには十分注意しておきたい。国内景気は10月の消費増税後の下ブレが懸念され、米国景気も逆イールド(長短金利の逆転)の出現で年後半から来年にかけて失速すると見られている。年内に再び来るであろう株安、そして「リスク・オフの円安」に備え、株式から金へのシフトを今のうちに進めておくべきではないだろうか。

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