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- 東京白金・石油見通し3月29日 17時40分<東京白金>
今週の東京白金は週明けに急落し、25日安値2970円をつけた後は、一時買い戻されたが、対ユーロでのドル高をみたNY白金の下落やパラジウムの急落になびいた売りに押されて週末に下落した。ただ、先限が3000円の心理的な節目を維持して越週。来週は、最近の投資資金の流入の動きを背景に、同水準を維持できれば買い戻しの動きが強まると考えられるため、値固めを試す展開になると予想される。
スイスのローザンヌで25日から開かれたFTコモディティ・グローバル・サミットで白金鉱山大手、英アングロ・アメリカンのマーク・キューティファニ最高経営責任者(CEO)が、パラジウム相場を「バブル」と表現。需要の8割を占める自動車メーカーがパラジウムの代わりにより安価な白金を使う可能性があるとの見方を示したことが、パラジウム急落の引き金となったとされる。ただ、四半期末を控えた利食い売りの側面もあるとの声も聞かれた。
<東京石油>
米エネルギー情報局(EIA)が27日発表した22日までの1週間の米石油在庫統計によると、前週の国内原油在庫は280万バレル増と、市場予想(120万バレル減)に反して増加。原油輸出も日量50万6000バレル減少したことで売り圧力が強まった。また、28日にはトランプ大統領が「石油輸出国機構(OPEC)が原油供給を増やすことが非常に重要だ。世界市場は脆弱(ぜいじゃく)で、原油価格は高くなり過ぎている」とツイート。この投稿をきっかけにOPECによる生産拡大への警戒感が急浮上し、市場では売りが活発化。心理的節目の60ドルが上値抵抗線との指摘もある。
米国によるイランとベネズエラに対する制裁措置で両国の輸出が制限されていることに加え、OPEC主導の協調減産で需給が均衡化するとの期待などが引き続き相場を下支えしている。このほか、ベネズエラで今週初めに発生した停電の影響により、同国内の重質原油改質装置4基が27日午後時点で依然稼働を停止しているとの報が流れたことなどは支援材料視されている。
しかし、EIAは26日、2018年の米原油生産量がシェールオイルの活況を背景に45年ぶりに世界首位に返り咲いたとの報告書を発表。石油輸出国機構(OPEC)が主導する形で協調減産が進められる中、米国内でのこうした増産の流れが国際市場の需給均衡化を遅らせるとの警戒感も根強い。また、石油輸出国機構(OPEC)加盟・非加盟国による協調減産をめぐり、ロシアの離脱を食い止めるためにサウジアラビアが説得に苦慮していることが、複数の関係筋の話で明らかになった。ロシアは現在の協調減産について9月末までの3カ月の延長しか合意せず、年末までの延長は保証されない可能性がある。ロシアが協調態勢から外れれば原油価格は低下すると考えられることも中長期的な見通しを圧迫しており、原油相場は上値の重い展開が続くと予想される。
(注)上記の展望は3月29日夕方時点に作成されたものです。
●アナリスト紹介
第一商品(株)フューチャーズ24、盛川 貴洋
現在、フューチャーズ24にて、FAX・メール情報の市況作成等を担当。商品市場だけでなく、マクロ経済から金融市場まで守備範囲が広く、本質をついた鋭い分析が持ち味。「商品アナリスト(貴金属)・東京商品取引所認定」を取得。 - 東京白金、堅調推移3月22日 17時12分今週は米連邦準備制度理事会(FRB)が20日の米連邦公開市場委員会(FOMC)終了後に発表した金利見通しで、今年の利上げ想定回数を昨年末時点の2回から「ゼロ」に引き下げたことから、対主要国通貨でのドル安が進行。ドル建てNY白金には割安感からの買いが入り、21日高値876.7ドルまで上伸した流れを映し、東京白金も上伸した。
NYパラジウムが21日高値1576.9ドルをつけ、史上最高値を更新したことや、南アフリカのアブサ・キャピタルの白金上場投資信託(ETF)、ニュー・ゴールド・プラチナム(ニュープラット)の現物保有量が、15日(25.12トン)から20日(28.43トン)にかけて3.31トン増加。投資資金の流入も相場を押し上げている。このため、短期的には調整の売りが入ると見られるが、安値では買い戻され、来週は概ね堅調に推移すると考えられる。
(注)上記の展望は3月22日夕方時点に作成されたものです。
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第一商品(株)フューチャーズ24、盛川 貴洋
現在、フューチャーズ24にて、FAX・メール情報の市況作成等を担当。商品市場だけでなく、マクロ経済から金融市場まで守備範囲が広く、本質をついた鋭い分析が持ち味。「商品アナリスト(貴金属)・東京商品取引所認定」を取得。 - 東京白金、押し目買いの展開か3月15日 16時51分今週の東京白金は堅調。週明け11日に安値2889円をつけた後は、3月14日高値3029円まで上伸した。しかし、その後は値位置を維持できずに反落し、3000円の大台を割り込んだ。また、NY白金も11日安値809.6ドルをつけた後は値を切り返したが、上値の重い展開となった。
米中貿易摩擦や英国の欧州連合(EU)離脱問題などで海外経済の減速懸念が強まったことや、2019年の需給緩和見通しなどが圧迫材料。来週は、19〜20日に米連邦公開市場委員会(FOMC)、21〜22日のEU首脳会議などを控えるため積極的な買いは見送られ、上値の重い展開が見込まれる。また、米FOMCでハト派的な姿勢が示されるか、EU首脳会議で英国のEU離脱延期が認められた場合は買い安心からの押し目買いが値を支えると考えられる。
(注)上記の展望は3月15日夕方時点に作成されたものです。
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第一商品(株)フューチャーズ24、盛川 貴洋
現在、フューチャーズ24にて、FAX・メール情報の市況作成等を担当。商品市場だけでなく、マクロ経済から金融市場まで守備範囲が広く、本質をついた鋭い分析が持ち味。「商品アナリスト(貴金属)・東京商品取引所認定」を取得。 - 東京白金、押し目買いの展開か3月8日 17時12分今週の東京白金は下落。南アフリカ共和国で予定されていた鉱山ストライキが延期されたことや、金相場の下落になびいた買い方の手じまい売りなどが入り、1日高値3127円を天井に急反落し、200円以上の大幅下落となった。
南アフリカでは鉱山労働者・建設組合連合(AMCU)が支援ストを実施すると告知していたが、計画しているストライキの実行を裁判所として中止させるかどうかの判決を下すまでは延期するように命令を出したことで、ストは延期され、再開の告知は流れていない。また、米中貿易交渉の進展への警戒感や、業界団体のワールド・プラチナム・インベストメント・カウンシル(WPIC)が2019年の需給バランスを21.15トンの供給過剰との見通しを示し、需給環境が一段と緩和するとの見方も圧迫要因。ただ、2800円の節目を割り込んだ場面からの買い意欲が強く、下値は限られ、来週は押し目買いの展開が見込まれる。
(注)上記の展望は3月8日夕方時点に作成されたものです。
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第一商品(株)フューチャーズ24、盛川 貴洋
現在、フューチャーズ24にて、FAX・メール情報の市況作成等を担当。商品市場だけでなく、マクロ経済から金融市場まで守備範囲が広く、本質をついた鋭い分析が持ち味。「商品アナリスト(貴金属)・東京商品取引所認定」を取得。 - 東京白金、上値を試す展開に3月1日 17時41分今週の東京白金は上伸。米中貿易協議の進展や中国の景気浮揚策により同国の自動車販売台数が回復するとの期待感を背景としたパラジウムの急騰になびいた買いや、世界最大の白金生産国の南アフリカ共和国での減産懸念などを手掛かりに値位置を切り上げ、直近の上値抵抗として作用していた100、200日移動平均を上抜いた。直近の目標値は2018年11月9日高値3177円、同水準を超えれば3200円の大台も視野に入る。
南アフリカでは鉱山労働者・建設組合連合(AMCU)が22日、同国大手シバンエ・スティルウオーターで行われているストへの支援ストを、白金鉱山を含む15社で2月28日から3月7日に実施すると発表。南アの国営電力会社エスコムが2月9日から4日連続で計画停電を行い、現在も断続的に部分的送電停止が行われる可能性があると警告するなど電力供給が不安定なことから、白金の供給減少懸念を強め、白金の支援材料となった。
(注)上記の展望は3月1日夕方時点に作成されたものです。
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第一商品(株)フューチャーズ24、盛川 貴洋
現在、フューチャーズ24にて、FAX・メール情報の市況作成等を担当。商品市場だけでなく、マクロ経済から金融市場まで守備範囲が広く、本質をついた鋭い分析が持ち味。「商品アナリスト(貴金属)・東京商品取引所認定」を取得。