盛川 貴洋/アナリストの目

白金・石油見通し
2020/07/31 16:59:53

<白金>
 今週の白金標準は、先限継続足で28日高値3245円をつけ、2月28日以来、5カ月ぶりの高値圏に浮上した。
 欧州復興基金が欧州連合(EU)27カ国で合意され、対ユーロでのドル安が進行。ドル建てNY白金は割安感からの買いが入り、指標10月限が28日高値1002ドルを記録したことが背景。ただ、米国内外で新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからない状況が続いているほか、追加経済対策をめぐる米与野党の協議難航や米中関係の悪化などを手掛かりとした売りに圧迫されて、その後は急反落。低調な米経済指標も相場を圧迫しており、短期的には2900円を試す動きが見込まれる。ただ、100日移動平均線(31日時点2735.39円)を割り込むことはなく、3000円を挟んだ値位置でもち合う動きになるだろう。

<石油>
 今週の原油は上下動。米原油在庫の減少や中国経済の回復によるエネルギー需要回復への期待感のほか、21日に欧州連合(EU)臨時首脳会議が7500億ユーロの復興基金を創設し、欧州経済が下支えられるとの見通しが台頭したことで、底固い値動きとなった。また、米エネルギー情報局(EIA)が29日に発表した先週の原油在庫は前週から1060万バレル減少し、5億2600万バレルとなり、減少幅は昨年12月以来の大きさ。石油輸出国機構(OPEC)など産油国による協調減産の結果とみられており、米在庫の大幅な取り崩しにつながるとの思惑が相場を下支えている。
 しかし、米商務省が30日発表した4〜6月期の実質GDP(国内総生産)速報値は、年率換算で前期比32.9%減。下げ幅は四半期で統計を取り始めた1947年以降最大。大恐慌時に最も縮小した32年の12.9%(年間ベース)を超える歴史的な落ち込みとなり、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う急激な景気悪化を裏付けている。また、米中対立の激化懸念も、世界経済の回復の遅れにつながるとの見方が相場の上値を圧迫しており、強弱材料が交錯するなか、来週の原油相場はもち合いながら方向感を探る動きになると考えられる。

(注)上記の展望は7月31日夕方時点に作成されたものです。

●アナリスト紹介
 第一商品(株)フューチャーズ24、盛川 貴洋
 現在、フューチャーズ24にて、FAX・メール情報の市況作成等を担当。商品市場だけでなく、マクロ経済から金融市場まで守備範囲が広く、本質をついた鋭い分析が持ち味。「商品アナリスト(石油)・東京商品取引所認定」を取得。