盛川 貴洋/アナリストの目

8月の世界の金ETF現物保有量は増加−WGC
2020/09/10 13:33:59

 国際的な産金業界団体ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)は9月10日、世界の金上場投資信託(ETF)の現物保有量の推計を発表。世界の金ETFの現物保有量の合計は8月31日時点で前月比38.94トン増の3824.15トンとなり、過去最大を更新。金額ベースでも2406億5474万ドルと過去最大を更新した。
 世界の金ETFへの需要が全体的に横ばいになるにつれて、アジア圏からの金ETFの需要が増加。8月は、アジア圏の機関投資家から資金流入が、北米での金ETFの需要を支えた。北米の金ETFへの資金流入は、2009年に見られた過去最大の増加(646トン)の約1.5倍、年初来の現物保有の純増加量は937.6トンとなっている。

金現物を裏付けとする金ETFは、8月の増加幅は減速したものの、9カ月連続で資金流入を記録。ニューヨーク金先物は8月7日に史上最高値2089.2ドルを記録。その後、米株価が史上最高値を更新する上伸となったことで、米長期金利が上昇したことが金利を生まない資産である金にとっては弱材料となり、高値から下落した。欧州のファンドは、2019年11月以来初めて、11トンの純流出額を記録した。ドイツを拠点とする金ETFからの流出によるもの。ユーロが過去4か月間で米ドルに対して9%上昇し、この地域の投資家感情が改善したことも、流出の原因となった可能性があるとしている。

米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は27日、ジャクソンホール会議の講演で、「広範かつ包括的」な雇用に重点を置くとともに、物価よりも雇用を重視し、最大雇用の確保に努めると表明した。インフレ率が「一時的に」2%を上回ることを容認し、長期的に平均2%の目標達成を目指すと表明。これは、金利は何年もゼロに近いままである可能性があることを示唆している。また、ECBは、マイナス金利政策はこれまでに成功しているとしており、世界的な低金利環境が将来も続くとの見方が強まれば、金の上昇要因になると考えられる。

金ETF
9/11訂正
訂正前:現物保有量の合計は8月31日時点で前月比38.56トン増の3818.26トン
訂正後:現物保有量の合計は8月31日時点で前月比38.94トン増の3824.15トン