村上 孝一/アナリストの目

ニューヨーク金:来週は9月最大のイベント米FOMCに注目
2020/09/11 14:49:25

 市場で注目されていた10日の欧州中央銀行(ECB)定例理事会で、市場の予想通りに政策金利の据え置きと大規模な金融緩和策の維持を決定。理事会後の会見でラガルド総裁が「為替レートを注意深く監視する必要がある」と述べつつも、ユーロ高対策について言及しなかった。このため、外国為替市場ではユーロ高・ドル安が進行、ドル建てで取引される金は割安感から買われた。
 また、米労働省が10日発表した週間新規失業保険申請件数が前週比88万4000件と、市場予想の84万6000件を上回り、新型コロナウイルスの感染拡大が続く中で高止まりしていることが示された。さらに、米議会上院で共和党が主導した追加経済対策の採決に向けた動議が否決されたことを受け、米景気の先行き不透明感が強まった。
 10日のニューヨーク金は前述の要因で買われ上昇。中心限月の期近12月限は1975.20ドルの高値を付けた。しかし高値を付けた後、為替のユーロ高・ドル安一服などで売られ、1940ドル台に急反落。

 来週は米連邦準備制度理事会(FRB)が9月15〜16日に連邦公開市場委員会(FOMC)を開く。日本時間9月17日午前3時に声明と参加者の経済・金利見通し、同午前3時30分にパウエル議長の記者会見が予定されている。
 市場では事実上のゼロ金利や量的緩和策を維持するとの見方が大勢。米FRBは雇用拡大に軸足を置いて長期戦の構えを見せており、政策金利や経済成長率の展望に注目が集まる。6月のFOMC後に公表された参加者の見通しでは、ゼロ金利の解除時期は2023年以降と金融緩和の長期化が見込まれていた。
 ゼロ金利政策の長期化は中・長期的に金相場を支える材料。ただ、短期的にニューヨーク金が2000ドルの節目突破を試しに行く展開となるには、声明や議長の会見などで一段の緩和姿勢が示され、為替のドル安が進行するなどの買い材料が欲しいところ。