盛川 貴洋/アナリストの目

白金標準は上伸、供給量の減少見通しなどに支えられ
2020/09/11 15:42:46

今週の白金標準は上伸。米中対立の激化懸念を背景とした自動車触媒需要の減少見通しに頭を抑えられたが、欧州経済回復への期待感や、南ア白金鉱山からの白金供給量の減少などに支えられて週末に上伸、先限は一時3200円台を回復。ただ、買い一巡後は手じまい売りなどに上げ幅を削られた。

欧州中央銀行(ECB)は10日に開催した定例理事会で、新型コロナウイルスの流行による景気低迷を受けて導入した大規模な金融緩和策の維持が決定。新型コロナ感染封じ込めのための措置が緩和され、景気回復が継続している。また、定例理事会後の記者会見でラガルドECB総裁は7月以降急速に進んだユーロ高について、物価上昇の勢いを抑える恐れがあり、注意深く見守る考えを示した。ただ、明確なユーロ高対策については言及しなかったことで、外国為替市場ではドル安が進行。ドル建てのニューヨーク白金は割安感からの買いが入り上伸した。

南アフリカ共和国の白金鉱山採掘量は第1四半期の25.88トンから第2四半期の16.55トンへと大幅に減少したと、白金業界団体ワールド・プラチナム・インベストメント・カウンシル(WPIC)が8日に発表した2020年第2四半期および同年通年の白金需給見通しの中で示した。20年通年での世界の白金需給バランスは10.45トンの供給不足の予想。第2四半期には、南アの大規模な製錬工程の停止と、新型コロナウイルス感染症による鉱山の封鎖のため、供給に大きな影響があった。南アの鉱山は、政府による強制的な封鎖措置で生産が約20%減少。3月26日から4月30日まで完全に封鎖されたことが響いたとされる。

来週は米連邦公開市場委員会(FOMC)での金融政策などの判断が注視される。市場では、米連邦準備理事会(FRB)が年内の追加緩和策を示すのではないかとの思惑から、対主要国通貨でのドル安圧力が強まっていることが、白金相場の支援材料。ただ、今回のFOMCで追加金融緩和策の実施は難しいとの指摘も聞かれ、当面は現在の値位置でもち合いながら方向感を探る動きになると予想される。