横谷 健司/アナリストの目

原油は直近安値を試すか
2020/09/23 15:01:00

 NY原油は16日、原油在庫の大幅減を示す官民の週間在庫統計や、ハリケーン「サリー」により石油供給網が混乱するとの警戒感が広がり、4日以来約2週間ぶりに40ドルの節目を回復したものの、欧州での新型コロナウイルス感染増加や、新型コロナ危機に対応した米議会による追加経済対策の妥結がさらに不透明になっていることを背景に、欧米株価が下落したことから、株価と並ぶリスク資産である原油も売られたほか、需給の緩みに対する警戒感が強まり、21日に再び40ドルの節目を割り込んだ。

 22日の清算値(終値)確定後に発表された米石油協会(API)の週間在庫統計で、18日までの1週間の原油在庫は前週比69万1000バレル増の4億9530万バレルと、市場予想(同230万バレル減)に反して積み増しとなった。
 今夜の米エネルギー情報局(EIA)の週報でも、予想に反して原油在庫の積み増しが示された場合、NY原油は下値を切り下げることになりそうだ。

 リビア東部を支配する軍事組織のハフタル司令官は18日、エネルギー収入を公平に配分することでトリポリ政府と合意したとして、石油生産の封鎖措置を1カ月解除すると発表。同国の原油生産再開で市場の供給過剰感が増幅されるとの警戒感が台頭。また、英国やフランス、スペインなどの欧州諸国で新型コロナウイルス感染者数が急増していることから、ロックダウン(都市封鎖)の可能性もあり、欧米株価が一段の下落となれば、リスク資産である原油も8日の直近安値36.13ドルを試す展開が予想される。
 また、英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)の行く末が不透明となっていることから、為替がドル高・ユーロ安に傾きやすくなっており、ドル高がドル建てで取引される原油の割高感を強める可能性もありそうだ。