横谷 健司/アナリストの目

金は6200円割れも
2020/09/25 13:50:50

 欧州の新型コロナウイルスの新規感染者が再び増加し、一部の国で経済活動への規制が強化される可能性が取り沙汰されているほか、新型コロナ危機に対応した米議会による追加経済対策の妥結への不透明感、欧米の金融機関を舞台にした巨額のマネーロンダリング(資金洗浄)疑惑も浮上したため、21日の欧米株価が急落し、換金目的の金売りに、NY金は一時1900ドルの節目を割り込んだ後も、米追加経済対策をめぐる協議が難航していることで、景気の先行き不透明感が強まり、23日の米株価が急落したことを受け、21日と同様にNY金は株価とともに下値を切り下げ、7月22日以来約2カ月ぶりの安値を付けた。
 連休明けとなる23日の大阪取引所の金標準も6500円の節目を割り込む大幅安となり、25日には7月21日以来約2カ月ぶりの安値を付けた。

 英国、ドイツ、フランス、スペインなどの欧州諸国で、再び新型コロナ感染が拡大しており、経済活動の停滞が懸念される状況では、ユーロ売り・ドル買いが止まらないことから、ドル建てで取引されるNY金は売られやすいとみられる。
 米国の新型コロナの感染拡大による景気悪化に対応する追加経済対策をめぐる与野党協議は、11月の大統領選を前に対立が先鋭化し、暗礁に乗り上げている。24日に与野党協議が再開されるとの報道が明らかになったものの、26日にはトランプ米大統領が、死去したギンズバーグ最高裁判事の公認候補を発表することもあり、候補が保守派であれば、共和党と民主党の対立が激化し、追加経済対策の与野党協議に影響を及ぼすことが予想される。
 安全資産とされる金ではあるが、最近はリスク資産である株価との連動性を高めており、景気の先行き不透明感が強まり米株価が再び急落するようであれば、7月17日以来となる1800ドル割れを試すことになりそうだ。

 大阪取引所の金標準はネックライン(8月12日安値6412円)割れとなったことで、三角もちあい下放れが意識されているほか、NY金が下値を切り下げた場合、NY市場に連動した値動きが予想されるため、金標準は7月15日以来となる6200円割れが予想される。ただ、21、23日の米株価の急落局面では「リスク回避のドル買い」が先行しているため、為替市場の円安・ドル高が下支えとなり、NY金に比べると金標準は下げ渋る可能性もありそうだ。