村上 孝一/アナリストの目

ニューヨーク金、ドルの動きがカギを握る
2020/09/25 15:16:33

 今週のニューヨーク金は米株安による換金売りと為替のドル高で急落。中心限月の期近12月限は24日に1851ドルと7月後半以来2カ月ぶりの安値を付けた。
 24日は新型コロナウイルス危機に対応した追加経済対策をめぐって政権と野党民主党が協議を再開するとの報道を受けて、為替のドル高・ユーロ安が一服。ただ、ギンズバーグ連邦最高裁判事の後任人事をめぐる与野党対立によって、経済対策の妥結が先送りされるとの見方も根強い。26日の後任人事発表でトランプ大統領が保守派を指名した場合、与野党対立が一段と激化する恐れがある。大統領は後任に保守派の女性を指名する意向を示している。
 欧州での新型コロナウイルス感染の再拡大や米追加経済対策をめぐる協議難航などを背景に、投資家がリスク回避に動く中、安全資産としてドルが買われている。来週もこの傾向が続くようだと、ニューヨーク金はドル高による割高感からの売りにより、100日移動平均線(9月24日:1847ドル付近)を試す動きになることが予想され、同水準を割り込むようだと、調整局面を迎える可能性がある。
 ただ、米労働省が24日発表した週間新規失業保険申請件数は前週比4000件増の87万件と市場予想の84万件を上回り、新型コロナウイルスのパンデミックからの経済回復が息切れしているとの見方を裏付ける結果となった。来週発表される米経済指標が悪化し、景気の先行きに対する懸念が強まった場合、これまで安全資産として買われてきたドルの勢いが衰え、100日移動平均線の水準で強い抵抗が示されれば、これまでのように安値拾いの買いに支えられるだろう。
 以上のことから、来週のニューヨーク金は100日移動平均線の水準を維持できるかがポイントで、そのカギはドル相場が握っている。