盛川 貴洋/アナリストの目

白金標準は下落、英国とEUの貿易交渉の難航など受け
2020/10/16 15:44:06

 今週の白金標準は下落。週明けに上伸して先限は12日高値3042円をつけたが、その後は値位置を維持できずに週末にかけて下落した。英国と欧州連合(EU)との自由貿易協定(FTA)を巡る協議は、英国が設定した合意期限の15日を過ぎても十分な進展が見られず、同日の欧州首脳会議において、EUは強硬姿勢の英国に改めて歩み寄りを求めると共に、今後の交渉継続の方針を確認したことで影響は限られたが、年末までの合意が危ぶまれることが、白金の上値を押さえた。

欧米で新型コロナウイルスの新規感染者が増加傾向にあり、投資家のリスク回避姿勢が強まったことも、工業用需要の比率が高い白金にとっては弱材料。新型コロナ感染の再拡大に伴い、欧州では規制再強化の動きが急速に進んでいる。フランスでは17日以降、パリなど複数の都市で夜9時〜翌朝6時の外出が禁止される。英国では一部地域でパブやバーが休業となり、ベルリンでは夜間の飲食店や商店の営業が停止。スペイン政府は首都マドリードを対象に非常事態を宣言し、市民の移動を制限。欧州経済の減速懸念が急速に高まっている。

これらの流れから、ユーロや英ポンドが大きく下落。安全資産としてのドルや円が買われ、ドル建てNY白金に割高感からの売りが入り下落したことも相場を下押しており、来週の白金標準は上値の重い展開が見込まれる。また、英国とEUの交渉が打ち切られた場合は直近の安値(9月25日安値2816円)を割り込み、一段安となる可能性もあるため今後の動向には注意したい。