村上 孝一/アナリストの目

新型コロナウイルスが再び増加傾向、感染収束が見通せず
2020/10/20 15:02:57

 新型コロナウイルスの全世界の感染者数が10月19日、累計で4000万人を突破。米国や欧州で再び増加傾向にあり、世界の1日当たりの新規感染者数が初めて40万人を超えるなど、感染の収束が見通せない状況が続いている。
 欧州では新型コロナウイルスの感染”第2波”の勢いが衰える様子を見せておらず、多くの国で新規感染者がこれまでの最多を記録。感染封じ込めに向けた制限措置を強化する動きが相次いでおり、アイルランド全土、英国西部のウェールズ、ドイツ南部の群では都市封鎖(ロックダウン)を実施するこことが発表されている。米国の新型コロナウイルス新規感染者も前週、39万3000人超と夏のピーク時の水準に迫り、50州中34州で2週連続で増加。
 新型コロナウイルスの感染が再び増加傾向にある中、北半球は冬を迎えるため、新型コロナウイルスと共通する症状が多いインフルエンザが同時に大規模流行する恐れがあり、世界的に感染封じ込めに向けた制限措置の一段の強化に動くようだと、経済に与える悪影響が懸念される。
 国際通貨基金(IMF)が10月13日発表した最新の世界経済見通しでは、2020年の世界成長率をマイナス4.4%と、6月時点の予測(改定後)から0.8ポイント上方修正。新型コロナウイルス感染拡大を受けた先進国と中国の景気悪化に歯止めがかかったことが背景にある。しかし、前述のように世界的に制限措置強化への動きが相次ぐ事態となれば、世界の金融市場に「景気が再び悪化する」との懸念が台頭し、投資家によるリスク回避の動きが進行、安全資産としての金需要が拡大することが予想される。