横谷 健司/アナリストの目

原油は米追加経済対策が焦点
2020/10/21 15:03:24

 英国、フランス、スペインなどの欧州各国は15日、新型コロナウイルス感染の再拡大に伴い夜間外出禁止など感染予防措置を強化すると発表したことを受け、経済活動が停滞し、エネルギー需要の回復が遅れるとの見方が広がり、一時は40ドルの節目を割り込んだものの、同日に発表された米エネルギー情報局(EIA)の週間在庫統計で、原油在庫が市場予想を上回る減少となったことに加え、留出油在庫が市場予想を大幅に上回る減少となったことから、再び同水準を回復。その後も新型コロナ感染再拡大に伴う米追加経済対策成立への期待感から、20日に9月4日以来約1カ月半ぶりの高値を付けた。

 石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟産油国で構成する「OPECプラス」は19日、新型コロナのパンデミック(世界的大流行)の第2波が需要の足かせとなり、来年からの増産計画が原油価格を一段と下押しする懸念が高まる中、石油市場を支援する行動を取ると誓ったが、9月の会合では、想定するいかなる状況下でも供給過剰を予想しておらず、わずか1カ月で見通しが悪化した。

 20日の清算値(終値)確定後に発表された米石油協会(API)の週間在庫統計で、10月16日までの週の原油在庫は58万4000バレル増となり、100万バレルの減少予想に反して積み増しとなった。
 15日に発表された米エネルギー情報局(EIA)の週報では、原油在庫が予想を上回る減少となったが、今夜のEIA週報で、20日引け後のAPIに続き原油在庫が増加となれば、下値を試す可能性が強まりそうだ。
 また、世界の新型コロナの感染者が20日に4000万人を突破し、欧州や北米の一部地域で新型コロナの感染再拡大で、新たなロックダウン(都市封鎖)措置が講じられるなど、エネルギー需要の減退観測が根強いことから、目先は下値を試す展開が予想される。

 ただ、米野党民主党のペロシ下院議長は20日、追加経済対策をめぐるトランプ政権との協議での合意の可能性について、11月3日の大統領選前の法案成立が危ぶまれていたが、ペロシ氏は楽観していると述べたことに加え、トランプ大統領も歩み寄る姿勢を見せたため、追加経済対策の成立に期待感が広がっている。
 追加経済対策をめぐる協議が大統領選前に合意すれば8月26日の直近高値43.78ドルを試す可能性が強まる一方、物別れに終われば直近安値10月12日の直近安値39.04ドルを試す展開が予想される。