村上 孝一/アナリストの目

2020ゴールドマーケット拾い読み・4
2020/10/21 15:45:25

 NY金は中心限月の継続足でみると、9月後半以降は1900ドル台前半で上値を抑えられる動きが継続。手掛かりとなる材料としては、米大統領選の行方と追加の新型コロナウイルス経済対策。
 追加経済対策については、米野党民主党のペロシ下院議長とムニューシン財務長官が20日に協議。ペロシ氏の広報担当者は「与野党合意に向けて前進が見られ、協議は21日も続くことになりそうだ」と述べた。また、トランプ米大統領は20日、米FOXニュースのインタビューで、「すべての共和党(上院)議員が賛同しないだろうが、(最終的には)同意するだろう」と指摘。政権と共和党が足並みをそろえ、大型追加策を早期に成立させられる見通しに自信を示した。
 11月3日の米大統領選前に大型の追加経済対策が実現できれば、NY金はレンジの上限となっている1900ドル台前半を突破し、水準を切り上げる展開になるだろう。また、実現できなかった場合は売りが先行することが予想される。ただ、ペロシ氏は「大統領選までに協議がまとまらなかった場合でも、話し合いを続けることができる」と述べている。さらにトランプ、バイデン両大統領候補とも大型財政出動を志向していることは、インフレと通貨価値低下のリスクに対するヘッジとみなされている金を支える材料になることが見込まれるため、下落基調が継続する可能性は低く、安値は買い拾われることが予想される。

 インドの金地金ディーラーによると、宝飾品業者が祝祭シーズンと結婚シーズンに向けて、金の在庫補充を開始しており、金需要の改善がみられる。ディーラーは「金の輸入は9月の11トンに対して、10月には25〜30トンになる可能性が高い」と述べた。また、宝飾品業者は「インド全土で需要が増加し、人々が宝飾品店に戻ってきているため、金の輸入は確実に増加するだろう」と述べた。
 インドでは10月―12月は、ヒンズー教の祭典「ダシェラ」、「ディワリ」、「ダンデラス」が行われるうえ、婚礼シーズンにも当たるため金需要が増える傾向にある。同国では婚礼や祝祭の際に金を購入することは幸運を招くと考えられており、インドの金需要のうち、3分の2は地方からのもので、宝飾品は伝統的な富の象徴とされる。