村上 孝一/アナリストの目

2020ゴールドマーケット拾い読み・5
2020/10/22 14:39:06

 21日のNY金は、新型コロナウイルスの経済対策をめぐる与野党協議の楽観的な見通しや為替のドル安で続伸。中心限月の期近12月限は一時、上値抵抗線となっている50日移動平均線(10月21日現在:1932ドル付近)を突破する場面もあった。
 米民主党のペロシ下院議長とムニューシン財務長官による追加の新型コロナウイルスの済対策を巡る協議を20日も継続。ペロシ氏の報道官は、「今日の話し合いで法案の実現にさらに近づいた」と述べた。交渉期限は20日だったが、22日も協議を継続することで、市場では「近く合意する」との見通しが広がった。
 しかし、22日のアジア時間帯での取引では、トランプ米大統領が追加の新型コロナウイルス経済対策を巡り、民主党には妥協案をまとめる意思がないと非難したことを受けて、与野党協議の行方が再び不透明となり下落。期近12月限は一時、前日比16.90ドル安の1912.60ドルの安値を付けた。

 ロイター通信の市場関係者調査によると、2021年のドル建て金価格は値上がりの勢いが鈍っているため、平均で2000ドルに届かない見通し。ただ、史上最高値を更新する場面はあると予想されている。
 2019年半ばに1300ドル前後だったドル建て金価格は、2020年8月7日に2072.50ドルを付けて史上最高値を更新。10年前の金融危機以降で最も急速な上昇を記録。市場関係者によると、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)と経済低迷に対応した主要中央銀行の積極的な金融緩和策による低金利やインフレ懸念が強まり、金の相対的魅力を高めたことが背景にある。
 42人の市場関係者に聞いた調査結果では、ドル建て金の平均価格は予想中央値が2020年が1788ドル、2021年が1965ドルと、3カ月前の予想中央値1713ドルと1830ドルを上回っており、強気の見方が続いている。