村上 孝一/アナリストの目

金相場、欧州での新型コロナ感染状況にも注目
2020/10/23 15:56:08

 米大統領候補者による最後のテレビ討論会が日本時間10月23日午前に開かれた。共和党のトランプ大統領と民主党のバイデン前副大統領は、新型コロナウイルスへの対応や互いの疑惑などについて非難し合ったが、決定打は出なかった。CNNテレビの緊急世論調査によると、討論会の勝者は、53%がバイデン氏、39%がトランプ氏と回答。市場ではバイデン氏が勝利すれば大規模な財政出動が打ち出されるとみられており、ドル安・金買い材料視されている。
 欧州は新型コロナウイルス感染の第2波が拡大。フランスとスペインでは欧州で初めて感染者数が100万人を超えたうえ、英国、ドイツ、イタリアなどでは1日当たりの新規感染者数が過去最多を記録。各国政府は拡大を防ごうと、移動制限や都市封鎖など再規制の動きを強めており、チェコとアイルランドは2度目のロックダウン(都市封鎖)を導入するなど、景気回復停滞の深刻な危機に直面している。
 欧州での新型コロナウイルスの感染拡大で、景気悪化への懸念が一段と高まれば、為替がドル高・ユーロ安に振れる可能性があり、ドル建てで取引されるNY金には売り材料となる。ただ、世界の金融市場で「欧州の景気悪化が世界経済に悪影響を与える」との見方が台頭する状況となれば、安全資産としての金需要拡大につながるだろう。

 NY金相場は来週も引き続き、新型コロナウイルスに対応した追加経済対策をめぐる米与野党協議と大統領選の行方が焦点になるとみている。また、前述のように欧州で新型コロナウイルスの感染が再拡大しているが、米国でも中西部を中心に新型コロナウイルス感染が再び勢いを増しており、新型コロナウイルスの感染状況も注目されるだろう。