村上 孝一/アナリストの目

国内金が大幅安、先限が6000円の大台を割り込む
2020/11/30 15:34:44

 週明け30日の日本取引所グループ(JPX)傘下の大阪取引所で金先物相場が大幅続落。指標となるNY金相場の大幅安を受けて売りが先行。NY中心限月の2021年10月先限は6000円の大台を割り込み、一時は前週末比158円(2.60%)安の5900円と、先限の継続足で6月9日(5900円)以来約5カ月半ぶりの安値を付けた。
   欧米の製薬会社による相次ぐワクチン開発進展の報を受け、新型コロナウイルスのワクチン配布が想定より早く始まるとの期待感に触発された景気回復への楽観的な見方により、安全資産とされる金への投資妙味が薄れた。前週末27日のNY金は中心限月期近2月限が終値で前日比23.10ドル(1.28%)安。週明け30日のアジア時間帯での取引でも軟調に推移、一時は前週末比14.70ドル(0.82%)安の1767.20ドルと、中心限月の継続足で7月2日(1766.30ドル)以来約5カ月ぶりの安値を付けた。
 新型コロナウイルスのワクチン開発進展による早期の米景気回復をめぐる楽観ムードの高まりや、円滑な米政権移行を背景に投資家のリスク選好意欲が改善し、米株式市場ではダウ平均、ナスダック、S&P総合500種の主要株価指数が史上最高値を更新する一方、安全資産への投資妙味は薄れている。また、ドル建て金現物相場が1800ドルの節目を割り込んだことも市場心理を弱気にさせたことで、市場からは「1750ドルの節目を試しにいく」との見方が聞かれる。
 ただ、外国為替市場ではドルが売られており、主要6通貨で構成されるドル指数は約3カ月ぶりの安値水準に下落している。米国の新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めが掛からない中、今週発表される米国の製造業・雇用関連統計が悪化すればドル安が進行し、ドル建てで取引される金相場は割安感からの買いに下支えられることが予想される。