長田 泰/アナリストの目

国際穀物、まずは8月需給報告が秋高相場の試金石
2018/08/10 19:15:00

 来週のシカゴ穀物相場は、10日の需給報告を踏まえた現状の見直し相場となりそうだが、需給報告の内容が予想の範囲内であれば、7月中旬に付けた安値が今シーズンの安値という見方は維持したい。目先的には欧州、ロシアの減産観測が強い小麦が引き続き最も買われやすく、次いで小麦と飼料代替で競合し輸出も好調なトウモロコシ、大豆はその後に続く。
 大豆は足元農家売りに抑えられやや上値が重くなりやすいと考えるが、中国がブラジル産だけでは需要を満たせず、近く米国産大豆買い付け再開に動き出すという観測もあり、需給報告が強気の内容となり、小麦、トウモロコシと同様にファンドがショートカバーの動きを強めるような流れになると意外高という展開も。

 仮に需給報告がサプライズなしとなった場合、現物市場には収穫を前にした保管スペース確保のための農家売りが強まることが予想される。これはシカゴの期近限月にも下げ圧力になるが、トウモロコシと大豆では短期的に農家売りが出やすくなるのは大豆の方であろう。保管スペース確保という点では、野積みも可能なトウモロコシに対し大豆はサイロ保管か、それに代わる設備が必要になるためだ。
 また収穫作業自体も天候が良く、早霜・降雪の心配がなければ、機械乾燥費用をセーブするために長く畑で乾燥させ収穫時期を調整できるトウモロコシに対し、大豆は収穫時期を遅らせ過ぎると鞘が破裂し豆が地面に落ち収穫できなくなってしまうため、収穫時期の調整が効きづらく、大豆はある程度売り急ぐ必要があるためだ。

 ただ、それでも現在のシカゴ市場の相場は大豆、トウモロコシともに18年産の限月は綺麗な順ザヤを形成しており、既に限月が先になるにつれて保管料分が上乗せされたフルキャリーの状態である。ここからの農家売りによる下げを期待しても下げ余地は乏しいのではないか。

 今回の需給報告に対して、米国産の生産上方修正という供給増に対しての警戒感が強い市場ムードではあるが、米国及び世界の期末在庫、在庫率の前年度との比較に目が向けば自ずと相場は戻り基調を強めるだろう。まずは今回の8月の需給報告が試金石となる。

(注)上記の展望は8月10日の夕方時点に作成されたものです。

●アナリスト紹介
 第一商品(株)法人部、長田 泰
 現在、法人部にて国際穀物を中心に商社顧客の取引を担当。2017年TOCOM農産物アナリスト育成セミナー修了者。時事通信、日本経済新聞の国際穀物市況等にコメントを提供中。ソイオイル・マイスター。

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