村上 孝一/アナリストの目

NY金、米株とドルが焦点に
2018/10/12 16:42:25

 10月11日のニューヨーク商品取引所の金相場は、世界的同時株安を背景に安全資産として買われたことや為替のドル安も買い材料となり急伸。中心限月の期近12月限は一時、1230ドルと、8月1日(1233.70ドル)以来、約2カ月ぶりの高値を付けた。

 世界同時株安の震源地となったのはニューヨーク株式市場。米長期金利の上昇による企業業績の悪化懸念や世界的な貿易摩擦の悪影響に懸念が広がり、投資家のリスク回避姿勢が強まる中、優良株で構成するダウ工業株30種平均は10日、終値で前日比831ドル安と史上3番目の下げ幅を記録。11日の終値は同545ドル安と下落が止まらず、2営業日の下げ幅は1377ドルに達した。
 また、外国為替市場ではドルが対主要通貨で、米長期金利の低下や米株の急落などを背景に手じまい売りの動きが広がり下落。主要6通貨で構成されるドル指数は11日に一時、94.986と、9月27日(94.211)以来、2週間ぶりの安値を付けた。

 ニューヨーク金は中心限月ベースで1210ドルに乗せると頭を抑えられる状況が続いていたが、11日の急伸で同水準を上抜いた。世界的な貿易摩擦激化の中でも独り勝ち状態にあった米株式市場の先行きに不透明感が増しており、リスク回避の動きが継続するようだと、100日移動平均線が通る1234ドル付近(10月11日現在)を突破し、1250ドルの節目を試す可能性がある。
 ただ、今年下半期の金相場は為替のドル高に圧迫される状況が続いており、ドル指数の下落傾向が続くかが焦点。米株安の動きが継続するか、来週発表される米経済統計で米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げ継続観測が後退すれば、ドル安傾向が続く可能性がある。一方、ドル安傾向が続かないようだと、売り圧力が強まり、1200ドルの節目を割り込む可能性がある。

 また、米中貿易摩擦について、「11月末からアルゼンチンで開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議の際にトランプ大統領と習近平国家主席の米中首脳会談が実施される方向で準備している」と報じられた。一方、中国税関総署が12日発表した9月の対米貿易黒字は341億3000万ドルと、過去最大の黒字を記録したことで、貿易摩擦がさらに激化し、トランプ米政権が中国からの全輸入品に高関税を課す可能性が高まりそうだ。
 米中貿易摩擦の激化を背景に投資家のリスク回避姿勢が強まった場合、これまでは資金の逃避先として安全資産とされる金よりもドルが選択される傾向にあった。ただ、今回の米株急落でこの流れに変化がみられ、安全資産としての金が見直されるかどうかにも注目している。

 (注)上記の展望は10月12日夕方時点に作成されたものです。

●アナリスト紹介 第一商品(株)フューチャーズ24、村上 孝一
 現在、フューチャーズ24にて、ファンダメンタルズ分析と市況作成を担当。時事通信社、日本経済新聞社に貴金属・石油市況等のコメントを提供中。

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