村上 孝一/アナリストの目

東京金、為替の円高が圧迫材料に
2018/12/25 15:40:36

 東京商品取引所の金相場は、NY金が米株安を背景とした投資家のリスクオフによる買いに半年ぶりの高値まで上昇しているものの、円相場が4カ月ぶりの円高・ドル安水準に急伸したことが圧迫材料となり、先限は4500円を挟んでのもみ合いとなっている。

 ニューヨーク株式市場は、世界の景気減速懸念や米政局の先行き不透明感などを背景に、投資家のリスク回避姿勢が強まり急落。ダウ工業株30種平均は24日に2万1792.20ドルと年初来安値を更新し、2017年9月8日(2万1731.12ドル)以来、1年3カ月ぶりの安値を付けた。
 米連邦政府の一部予算が22日に失効し、政府機関の一部閉鎖が始まった。上院が次回審議期日を27日に設定したことで、政府機関の一部閉鎖は6日間以上続く見通し。トランプ米大統領が求めるメキシコ国境の壁建設費を巡る対立が続き、与野党幹部は米議会で批判合戦に終始するなど歩み寄る姿勢はみられない。トランプ米大統領は22日に「どうしても必要な国境警備について民主党と協議しているが、長くなるかもしれない」とツイッターに投稿し、政府閉鎖が長引く可能性を示唆。また、マルバニー米行政管理予算局(OMB)長官は23日のFOXニュースのインタビューで、政府機関の一部閉鎖について「年明けに開会する新議会まで続く可能性が非常に高い」と述べた。
 また、トランプ米大統領が株安を念頭に米連邦準備制度理事会(FRB)を繰り返し批判、前週末にはパウエル米FRB議長の解任を議論したと一部で報じられた。さらに、米ブルームバーグ通信が24日、「株価下落に苛立ちを示すトランプ大統領がムニューシン財務長官の解任を検討しているもよう」と報じた。
 NYダウ平均は終値ベースで10月3日に付けた最高値から12月24日までの下落率が18.8%と、弱気相場入りの節目とされる20%目前。投資家の不安心理の指標となる米シカゴ・オプション取引所(CBOE)の恐怖指数(VIX)は24日に一時、36.10と、2月9日(41.06)以来の高水準となったうえ、終値では4日から危険水準とされる20を上回る状況が継続している。米政府機関閉鎖の長期化が米経済に悪影響をもたらすとの懸念が強まれば、投資家の不安心理が一段と強まり、リスク資産である株式が売り込まれる可能性がある。

 米株安を背景に投資家のリスク回避が強まる中、資金の逃避先として安全資産とされる金の需要が高まり、金相場を支えている。ただ、投資家のリスク回避で安全資産とされる円も買われ急伸。24日には一時、1ドル=110円26銭と、8月22日(110円丁度)以来4カ月ぶりの円高・ドル安水準を付けた。
 NY金は年末年始にかけて、投資家のリスク回避の動きが続き、1300ドルの節目を試す展開となれば、東京金の先限は12月12日に付けた直近高値4536円を突破することが予想されるが、為替の円高・ドル安が進行するようだと、上値を抑えられる可能性がある。ただ、NY金が上昇基調を継続すれば、円高で売られたところは買い拾われるだろう。

 最後になりましたが、今年1年間、筆者の「アナリストの目」をご愛読頂きありがとうございました。来年もよろしくお願い致します。

●アナリスト紹介
 第一商品(株)フューチャーズ24、村上 孝一
 現在、フューチャーズ24にて、ファンダメンタルズ分析と市況作成を担当。時事通信社、日本経済新聞社に貴金属・石油市況等のコメントを提供中。

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