上野 隆/アナリストの目

NY原油、2019年もトランプ相場継続か
2018/12/26 15:41:54

 ニューヨーク原油(WTI)相場は24日、一時1バレル=42.36ドルまで下落し、2017年6月以来、約1年半ぶりの安値を付けた。米連邦政府のつなぎ予算が21日に失効。一部政府機関が閉鎖されたことで、米国の株式市場が急落。株式と並んでリスク資産とされる原油も売られる格好となった。
 つなぎ予算をめぐっては、トランプ米大統領がメキシコ国境の壁建設などの国境警備予算を盛り込まない予算案には署名しない意向を示し、与野党でギリギリの折衝が続いたが時間切れとなった。年末までに再度交渉が行われる見通しだが、トランプ氏は強硬姿勢を崩しておらず、政府機関再開は年明け以降にずれ込む公算が大きい。また、米国と中国の通商問題は90日間の「一時休戦」となったが、協議に大きな進展は見られず、世界経済の鈍化懸念によるエネルギー需要の先細りへの警戒感も原油相場の圧迫要因となっている。
 石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟国の主要産油国は来年1月から日量120万バレルの減産を開始する。アラブ首長国連邦(UAE)のマズルーイ・エネルギー相は、この減産合意でも原油市場の需給均衡につながらなければ必要な措置を講じる用意があると発言したものの、減産開始を前に、米国やサウジアラビア、ロシアの産油量が記録的な高水準に達していることなどから、協調減産の効果に懐疑的な見方も浮上している。
 2018年の原油相場は、米国のイラン核合意離脱、度重なる対中国追加制裁関税の発動、対イラン制裁再開に伴う同産原油の禁輸措置と期限直前の一部除外、メキシコ国境の壁をめぐる連邦政府予算の失効・・・と、トランプ米政権のやや独断的な政策運営により大きく上下に振れる展開となった。
 2019年も、予算を巡る米議会対立、1月の米中通商協議再開と難題が山積している。対中国の制裁関税の「一時休戦」も3月初旬には失効するため、協議の行方次第では再び原油相場の波乱要因となり、トランプ相場は継続することになりそうだ。ただ、OPEC総会が開かれた12月6日以降、10ドル超の下落を演じているほか、ロシアが指標とする北海ブレントも一時50ドル割れとなり、プーチン露大統領が発言した「60ドル」水準を大きく下回る水準で推移しているため、ロシアが協調減産に協力的な姿勢に転じるとの思惑もあり、NY原油相場が年初早々に40ドルを割り込む動きにはならないとみている。

●アナリスト紹介
 第一商品(株)フューチャーズ24、上野 隆
 現在、フューチャーズ24にて、FAX・メール情報に掲載する市況作成等を担当。広範な知識に基づいた情報分析や、テクニカルを駆使した商品分析を得意とする。2016年TOCOM石油アナリスト育成セミナー修了者。

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