村上 孝一/アナリストの目

NY金、世界経済の減速懸念が支えに
2019/01/04 16:45:45

 ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金相場は、世界的な株安を背景に安全資産としての需要が高まり上昇。1月4日のアジア時間帯の取引で一時、1300.40ドル(日本時間4日15時15分現在)と、中心限月ベースで昨年6月15日(1306.70ドル)以来約6カ月半ぶりに心理的節目の1300ドルを突破した。

 3日のニューヨーク株式市場は急落、ダウ工業株30種平均の終値は前日比660ドル安。米アップルが昨年10〜12月期の売上高見通しを、スマートフォン「iPhone(アイフォーン)」の中国での販売不振を理由に下方修正したことをきっかけに、投資家が世界経済鈍化への懸念を一段と強め、リスク回避に動いた。中国国家統計局が昨年12月31日発表した2018年12月の製造業購買担当者景況指数(PMI)は49.4と、景気の拡大・縮小を判断する節目の50を2016年7月以来、2年5カ月ぶりに割り込んでおり、米中貿易戦争などを背景に中国経済の減速が進んでいることが裏付けられた。
 また、米サプライ管理協会(ISM)が3日発表した昨年12月の米製造業景況指数が54.1と、約2年ぶりの低水準に落ち込んだことも、投資家のリスク回避の動きを強める要因となった。投資家の不安心理の指標となる米シカゴ・オプション取引所(CBOE)の恐怖指数(VIX)は終値で昨年12月4日から危険水準とされる20を上回る状況が継続している。

 目先の注目材料は日本時間1月4日午後10時30分に発表される昨年12月の米雇用統計。景気動向を反映する非農業部門就業者数の市場予想は前月比17万7000人増加と、前月の15万5000人から伸びが加速する見通しで、NY金は市場予想通りとなれば売られることが予想される。ただ、景気拡大の目安とされる20万人を上回るまでに伸びが加速しなければ、売り込まれるような状況には至らないだろう。
 一方、米中の経済統計やアップルの業績見通しを背景に、世界経済の減速リスクが強まっており、資金の逃避先として安全資産とされる金が買われやすい状況にある。昨年12月の米雇用統計が市場予想を下回り、米経済の減速リスクを強めるようだと、NY金は水準を切り上げる可能性がある。
 また、2019会計年度予算案をめぐる米与野党の協議も注目される。トランプ大統領の主要公約であるメキシコ国境の壁建設費を予算案に計上するかをめぐり対立。暫定予算が失効し、昨年12月22日から政府機関の一部が閉鎖されている。与野党の議会指導者らは2日に協議を開いたものの、合意に至らなかった。4日に協議を再開する見通しだが、与野党の対立が継続するようだと、投資家の不安心理が一段と強まり、リスク資産である株式が売り込まれる可能性がある。

 (注)上記の展望は1月4日夕方時点に作成されたものです。

●アナリスト紹介 第一商品(株)フューチャーズ24、村上 孝一
 現在、フューチャーズ24にて、ファンダメンタルズ分析と市況作成を担当。時事通信社、日本経済新聞社に貴金属・石油市況等のコメントを提供中。

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