村上 孝一/アナリストの目

2019ゴールドマーケット拾い読み・1
2019/01/08 15:40:05

 東京商品取引所の金先限はNY金の上昇により、大納会の昨年12月28日に4539円と、昨年6月19日(4552円)以来6カ月ぶりの高値を付けた。ただ、年末年始の為替の円高・ドル安進行や、年明け1月4日にNY金が下落したことで下落。7日に4447円と昨年12月3日(4432円)以来1カ月ぶりの安値を付けた。

『米FRB議長、利上げペースを見直す可能性を示唆』
 米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は1月4日に開かれた討論会で、今後の金融政策に関し「景気拡大を保つためにあらゆる手段を使い、素早く、柔軟に対応する用意がある」と述べ、「必要なら政策を大きく変えることもある」と語り、経済動向次第では利上げペースを見直す可能性を示唆した。
 昨年12月に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)後に公表された参加者の政策金利見通しでは、今年の利上げ想定回数は2回と見込まれていた。ただ、金融市場では、景気の先行き減速や米中貿易摩擦の影響を警戒し、引き上げは困難との見方もある。

『米政府機関、一部閉鎖が継続』
 メキシコ国境の壁建設予算をめぐる与野党の対立で、米連邦政府の支出を手当てするつなぎ予算が昨年12月22日に失効したことで、政府機関の一部が閉鎖。ホワイトハウスと米与野党は打開策を協議しているが、合意には至らず、政府機関の一部閉鎖は3週目に入った。
 トランプ大統領は6日、コンクリートの壁にこだわらず、鉄のフェンスを受け入れる考えを示し、壁に反発する野党民主党に歩み寄る姿勢を示した。一方で大統領は壁建設に向け、非常事態宣言を出して大統領権限で予算をねん出することも示唆している。
 米政府機関の一部閉鎖の影響で、商務省は新築住宅販売や建設支出といった経済指標の発表を見送っており、今週も8日の貿易収支の発表が延期される見通し。閉鎖がさらに長期化すれば、小売売上高、国内総生産(GDP)などの重要統計の発表のめどが立たなくなり、米経済動向の正確な把握に支障が出る恐れがあるほか、雇用に影響が出る可能性もある。

『東京金展望』
 7日から北京で始まった米中両国による次官級の貿易協議について、ロス米商務長官は「両国が受け入れ可能な合理的な合意を得られる可能性は大きい」との見通しを示したことを受けて、株式市場では協議進展への期待感が広がっている。ただ、ロス長官は、中国による知的財産権侵害や国家主導の産業政策などを念頭に「構造問題」を解決するのは困難との認識を示しており、今後も貿易摩擦はくすぶり続ける可能性が高い。
 東京金は目先、NY金と円相場との綱引き状況が続くことが予想される。ただ、米利上げペース鈍化観測や世界経済の減速懸念は根強いことから、昨年12月の安値4432円付近では買い拾われ、底堅い動きが続くとみている。

『中国の金準備高、2016年10月以来の増加』
 中国人民銀行(中央銀行)が1月7日発表した2018年12月末の外貨準備高によると、金準備高が前月比32万オンス(9.9トン)増の5956万オンス(1852.5トン)と、2016年10月以来初めて前月比で増加。中国の金準備高は、2016年10月から2018年11月まで5924万オンス(1842.6トン)で推移していた。
 また、国際通貨基金(IMF)のデータによると、ロシア中央銀行が金保有高を2018年11月に36.5トン増やし2102.8トンとした。ロシアは22カ月連続で金保有を増やしており、国別では世界第5位の金保有国。
 その他では、インドが2018年11月に金保有高を6.54トン増やし598.59トンとし7月から5カ月連続の増加。トルコ、カザフスタンも2018年11月に金保有高を増やしている。  前述のニュースがドル建て金価格を大きく押し上げるまでの影響力はないものの、中央銀行の金保有高が着実に増えるのは、金価格を支える材料になっている。

●アナリスト紹介
 第一商品(株)フューチャーズ24、村上 孝一
 現在、フューチャーズ24にて、ファンダメンタルズ分析と市況作成を担当。時事通信社、日本経済新聞社に貴金属・石油市況等のコメントを提供中。

金地金
金地金3つのメリット本日の金価格 金地金 購入・売却の手順
商品先物取引
初めての商品先物取引商品先物取引の始め方商品先物取引の税金
マーケット情報
海外商品相場国内商品相場ニュース・市況チャートアナリストの目
無料情報ツール
チャート分析ソフトDi-2モバイルサービスEメールサービス金価格メールテレホンサービスFAXサービス
商品セミナー
開催スケジュール