横谷 健司/アナリストの目

原油は戻りを試すか
2019/01/09 15:41:11

 トランプ米大統領が2日、米中貿易協議で合意すれば株価は回復すると発言したことを受け、米中間の「貿易戦争」解消に向けた期待が高まり、同日に3営業日続伸となった後も、石油輸出国機構(OPEC)加盟国の減産の兆候や、米中両国が7、8両日に中国で開く次官級の貿易協議への期待感などを背景に、8日にかけて7営業日続伸となり、米中両国が9日、2日間の予定だった貿易協議の3日目会合を開いたことから一段と期待感が強まり、9日の夜間取引では昨年12月17日以来50ドルの節目を回復している。

 ロイター通信が3日、海運データなどを基にまとめた調査によると、OPECの12月の産油量は日量3268万バレルと、前月から46万バレル減少した。月間の減少幅は、前回の協調減産が開始された2017年1月以来の大きさとなった。
 OPEC加盟国とロシアなど非加盟産油国による「OPECプラス」は昨年12月、19年に日量120万バレルの協調減産を実施することで合意した。うち、OPECの減産分は日量80万バレル。協調減産の実施は19年1月1日からだが、12月はサウジなど一部産油国が単独で、原油市場下支えのための減産策を講じた。
 前月からの減産幅が最も大きかったのはサウジで日量40万バレル減。前月の同国産油量は過去最高の1100万バレルだった。2番目はサウジ同様に自発的な減産を行ったアラブ首長国連邦(UAE)。このほか、リビアの産油量も国内最大油田の閉鎖により減少。米国の制裁下にあるイランでも減少幅が拡大した。

 年末年始に米株価が乱高下したものの、NY原油は1月からの主要産油国の減産に伴う需給引き締まり観測に加え、米中協議による貿易摩擦解消への期待感を背景に戻りを試す展開となっている。
 今後は米中協議と米政府機関閉鎖問題をにらんだ米株価の動向が焦点となりそうだ。米中協議では結論が出ることはなさそうだが、米政府関係者は協議前に中国から前向きな提案があれば、協議を延長する可能性があるとの姿勢を示しており、日程延長は交渉に進展があったと考えられる。次回協議への期待感を持たせて終わることができれば、引き続き戻りを試す可能性がある一方、延長したにもかかわらず米中協議に進展が見られなかった場合は、米株価とともに戻り売りに押され、再び下値を試す可能性が強まりそうだ。ただ、米政府機関閉鎖問題は目立った進展が見られないことから、徐々に上値の重さが意識される可能性もありそうだ。
 一方、東京原油はNY原油が50ドルの節目を回復したものの、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げが打ち止めになるとの観測が根強いことで、最近の為替の円高傾向が頭を重くしており、為替が円安にならない限り4万円台の回復は多少時間が掛かる可能性もありそうだ。

●アナリスト紹介
 第一商品(株)フューチャーズ24、横谷 健司
 現在、フューチャーズ24にて、FAX・メール情報に掲載する市況作成等を担当。過去の価格変動や現在の世相を背景にした商品分析を得意とする。

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