村上 孝一/アナリストの目

NY金、ドル相場に注目
2019/02/08 17:08:15

 ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金相場は、中心限月の期近4月限が前週に9カ月ぶりの高値を付けたことや、為替のドル高進行による割高感から利益確定の売りが出たことで、2月7日には1週間ぶりの安値となる1306.40ドルに下落。
 外国為替市場ではドル高・ユーロ安が進行、主要6通貨で構成されるドル指数は2月7日に96.673と2週間ぶりの高値に上昇した。2月1日に発表された1月の米雇用統計は、景気動向を反映する非農業部門の就業者数は前月比30万4000人増と、昨年2月(33万人増)以来の大幅な伸びとなり、市場予想の16万5000人増加を大幅に上回った。さらに、雇用統計後に発表された1月の米サプライ管理協会(ISM)製造業景況指数が56.6と前月の54.3から上昇し、市場予想(54.2)も上回ったことがドル買い材料となった。一方、欧州連合(EU)欧州委員会がユーロ圏の2019年と20年の成長率見通しをそれぞれ引き下げたうえ、EU主要国ドイツの鉱工業生産指数が4カ月連続で前月比マイナスとなったことがユーロ売り材料となった。

 ただ、米連邦準備制度理事会(FRB)が前週に開催した連邦公開市場委員会(FOMC)で、利上げ休止の可能性や、保有資産の圧縮ペース減速と早期終了の可能性が示されたことが引き続き、金相場を支えている。また、世界景気の減速懸念や米中貿易協議の先行き不透明感が強まり、欧米株式市場が全面安となったことも支援材料となった。
 ムニューシン米財務長官は6日、CNBCテレビとのインタビューで、米中間の閣僚級貿易協議のため来週北京を訪問することを明らかにした。しかし、クドロー米国家経済会議(NEC)委員長は7日、テレビ局とのインタビューで米中貿易協議について「かなり大きな隔たりがある」と発言したうえ、複数のメディアが「交渉期限までに米中首脳会談が開かれる可能性は低い」と報じた。その後、トランプ米大統領が米中貿易協議の期限である3月1日までに中国の習近平国家主席と会談する「予定はない」と記者団に明らかにしたことで、米株式市場では「米中両政府が3月1日を交渉期限とする貿易協議で妥結を図るのは難しい」との観測が広がった。

 NY金は為替のドル高による割高感に頭を抑えられている。ただ、前述のように世界景気の減速懸念や米中貿易協議に加え、英国の欧州連合(EU)離脱問題、国境の壁予算をめぐる米与野党の対立などは引き続き、安全資産としての金需要を強める要因として継続している。また、来週発表される米経済統計や米FRB高官の講演などで、「米FRBが金融引き締めに慎重なハト派的姿勢を一段と強める」との見方が広がり、為替のドル安が進行すれば、再び買い気が盛り上がり、上値を伸ばす動きになることが予想される。

 (注)上記の展望は2月8日夕方時点に作成されたものです。

●アナリスト紹介 第一商品(株)フューチャーズ24、村上 孝一
 現在、フューチャーズ24にて、ファンダメンタルズ分析と市況作成を担当。時事通信社、日本経済新聞社に貴金属・石油市況等のコメントを提供中。

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