盛川 貴洋/アナリストの目

東京白金・石油見通し
2019/02/08 17:17:07

<東京白金>
 今週の東京白金は4日に高値2943円をつけ、1カ月半ぶりの高値となったが、その後は値位置を維持できず反落。
 また、NY白金も100日移動平均線の水準を割り込み週末にかけて下落し、7日には清算値ベースで800ドルの大台を割り込んでいる。ガソリン自動車の排ガス除去装置の触媒として主に用いられるパラジウムの高騰になびいた買いに支えられ、下値は限られるが、ディーゼル車の販売シェアの低下や需給バランスが供給過剰に傾いていることなどから上値も重く、上昇した場面では売り圧力が強い。
 米中貿易協議や英国の欧州連合(EU)離脱を巡る先行き不透明感を背景とした世界経済の減速懸念も圧迫材料。来週は下値を試す展開が見込まれる。1月4日の年初来安値2762円を維持できるかが焦点になりそうだ。

<東京石油>
 米政府は1月28日、ベネズエラ国営石油会社(PDVSA)に対する制裁を発表したことが支援材料。また、米労働省が2月1日に公表した1月の米雇用統計や米サプライ管理協会(ISM)が同日に発表した1月の米製造業景況指数が好調な内容となり、米景気の底堅さが確認されたことから、米国内のエネルギー需要見通しにも期待が広がり上伸。NY原油は2月4日高値1バレル=55.75ドルの高値をつけ、2018年11月21日(高値55.86ドル)以来、2カ月半ぶりの高値圏に浮上した。
 しかし、その後は反落。米商務省が4日に発表した昨年11月の製造業受注が前月比0.6%減と、市場予想(0.2%増)に反して大きく落ち込んだことを受けて、世界的な景気減速がエネルギー需要に悪影響を与えるのではないかとの懸念が浮上。また、欧州連合(EU)欧州委員会が7日に、2019年と20年のユーロ圏実質GDP(域内総生産)伸び率見通しを昨年11月の前回予想からそれぞれ下方修正。また、複数のメディアが米中貿易協議の期限である3月1日までに、トランプ米大統領と習近平中国国家主席が首脳会談を開く可能性は「非常に低い」と報道。中国経済の成長鈍化懸念が強まると共に、同国のエネルギー需要を圧迫するとの警戒感が強まっている。
 このため、東京原油先限も積極的な買いが入り難く、為替次第ではあるが、短期的に4万円台を割り込む場面も想定される。

(注)上記の展望は2月8日夕方時点に作成されたものです。

●アナリスト紹介
 第一商品(株)フューチャーズ24、盛川 貴洋
 現在、フューチャーズ24にて、FAX・メール情報の市況作成等を担当。商品市場だけでなく、マクロ経済から金融市場まで守備範囲が広く、本質をついた鋭い分析が持ち味。