村上 孝一/アナリストの目

アナリストの目(村上 孝一)=東京金、今年の高値を更新
2019/02/12 15:40:04

 連休明け2月12日の東京商品取引所の金相場は、NY金が上値を抑えられる動きとなっているものの、為替の円安・ドル高進行が買い材料となり上昇。先限は4644円と、2月6日に付けた今年の最高値4637円を上回り、昨年5月中旬以来の高値を付けた。

 コンウェイ米大統領顧問は11日、フォックス・ニュースのインタビューに対し、「トランプ大統領は習主席に近く会いたがっている」と指摘。米中は通商協議で合意に近づいているかとの質問に対しては「完全にそのように見える」と述べた。米中両国は11日、北京で次官級の貿易協議を開始。14日、15両日に開かれる閣僚級会合に向け、対立が続く中国の構造改革などの難題で本格化させる。トランプ米政権は3月1日までに合意できなければ、2000億ドル相当の中国製品に課した追加関税率を10%から25%に引き上げる。
 閣僚級会合で妥結に至らず、関税引き上げの可能性が高まれば、投資家のリスク回避姿勢が強まり、リスク資産である株式などが売られる一方、安全資産とされる円や金は買われ、NY金は上昇することが予想されるが、為替の円高・ドル安が進行するようだと、東京金は上値を抑えられる可能性がある。ただ、市場では妥結に至らず協議延長という結果となれば、投資家のリスク回避の動きは抑えられるとの見方もある。

 米メディアは11日、米連邦政府機関の暫定予算が15日で失効する問題で、議会与野党は11日、メキシコ国境の「フェンス」建設費を盛り込んだ予算案で基本合意に達したと報じた。ただ、米メディアによると、合意案にはフェンス新設費として13億7500万ドルが盛り込まれているが、トランプ大統領が壁建設費として主張した57億ドルを大幅に下回っており、大統領が予算案に署名するかは不透明な状況。

 金需給に関するニュースとしては、中国の金準備高が2カ月連続で増加。
 中国人民銀行(中央銀行)が2月11日発表した2019年1月末の外貨準備高によると、金準備高は5994万オンス(1864.3トン)と、18年12月末の5956万オンス(1852.5トン)から38万オンス(11.8トン)増加。18年12月に前月比で16年10月以来初めて増加し、2カ月連続の増加となった。このニュースが金相場を大きく押し上げる程の強材料になるまでには至らないものの、相場を支える材料にはなるだろう。
 また、イタリアのラ・スタンパ紙は11日、同国政府が今年の財政赤字を抑制し、2020年に予定されている付加価値税(VAT)引き上げを避けるため、イタリア銀行(中央銀行)が保有する同国の金準備の一部を使用することを検討していると報じた。この報道について、イタリアのサルビーニ副首相は11日、同国政府の予算不足の穴埋めに金準備を用いることは興味深い案かもしれないとの認識を示した。ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)によると、イタリアの金準備は2019年2月現在、米国、ドイツに次ぐ世界第3位の金保有国であり、金準備売却の動きが進むようだと、金相場の売り材料になることが予想される。ただ、金準備の売却について大多数の当局者は否定している。

 東京金の先限は今年の高値を更新したことで、目先は昨年5月高値4646円が上値目標となり、同高値を上抜けば次は昨年4月高値の4672円が次の上値目標になるだろう。ただ、12日は為替の円安で上昇したが、相対力指数が相場の買われ過ぎを示す70に近付いており、NY金が現在の上値重い状況が続くようだと、上値では手じまいなどの売り圧力が強まる可能性がある。

●アナリスト紹介
 第一商品(株)フューチャーズ24、村上 孝一
 現在、フューチャーズ24にて、ファンダメンタルズ分析と市況作成を担当。時事通信社、日本経済新聞社に貴金属・石油市況等のコメントを提供中。

金地金
金地金3つのメリット本日の金価格 金地金 購入・売却の手順
商品先物取引
初めての商品先物取引商品先物取引の始め方商品先物取引の税金
マーケット情報
海外商品相場国内商品相場ニュース・市況チャートアナリストの目
無料情報ツール
チャート分析ソフトDi-2モバイルサービスEメールサービス金価格メールFAXサービス
商品セミナー
開催スケジュール