長田 泰/アナリストの目

東京トウモロコシ、先限昨年11月高値が視野に
2019/02/22 17:32:25

 来週の東京トウモロコシ相場は、堅調地合いを継続し2万5000円台乗せから昨年11月の高値(先限ベース)2万5180円を視野に入れた堅調な展開を予想する。

 今週2日間の日程で開催された米アウトルックフォーラムでは、初日の21日に今年の作付け面積見通しが公表された。これによると、2019〜20年度の米国産トウモロコシの作付面積が前年度比3.3%増の9200万エーカー、大豆は4.7%減の8500万エーカーと予測。昨年11月に発表の長期需給予測の骨子では、トウモロコシが9200万エーカー、大豆は8250万エーカーと予想しており、トウモロコシが据え置かれ、大豆が上方修正された形。ロイター通信が事前にまとめた作付面積の市場予想平均値は、トウモロコシが2.7%増の9151万2000エーカー、大豆は3.4%減の8614万4000エーカーだった。
 米中貿易戦争により中国向け輸出の減少が見込まれる米国産大豆の作付面積が減り、その分がトウモロコシにシフトするとの見方は、昨年秋から既定路線になっている。トウモロコシの作付面積予測は今回市場予想平均よりも大きかったが、中には9300万エーカーを見込む声もあっただけにあまり弱材料視されることもなかった。もっとも現在の新穀限月の価格レシオ(大豆÷トウモロコシ)は2.38倍程度と通常域のレシオに収まっており、元々米国農家にとってトウモロコシ作付けを増やすインセンティブがあるという状況ではない。また、21日に公表されたマイナー作物を除く主要農産物の合計作付け面積は昨年度を220万エーカー下回っている。価格の低迷や米中貿易戦争の影響で昨年の米中西部農家の破産申請件数が増加していると伝えられており、米国全体の作付け面積減少の一因となっているのだろう。
 米農務省はトウモロコシの19〜20年度の価格は前年度比1.4%上昇の3.65ドル、大豆は2.3%上昇の8.80ドルと予想している。米国産トウモロコシの作付面積増が即ちトウモロコシ価格の下落を意味するものではないということだ。

 南米ブラジル産地の最近の天候は降雨が観測されるようになりサフリーニャコーン(二期作トウモロコシ)の生育にとって良好との見方はシカゴ相場の上値を抑える要因となっているが、一方で米中貿易協議で中国側から、米国からの農産物輸入を年300億ドル(約3兆3000億円)相当増やすと提案したと報じられ、大豆やトウモロコシ、小麦の調達などが候補に挙がっていることは、米国産農産物の輸出需要拡大として支援要因となるため、しばらくはシカゴ相場は横ばい圏のレンジ取引の強弱綱引きが続くという見方が妥当なところか。
 ただ、米国産トウモロコシの輸入価格の東京市場を考えると、ここ最近の米国輸出港の現物プレミアムがメキシコ湾(ガルフ)、太平洋北西岸(PNW)ともに上昇傾向にあることがコストアップ要因として働きそうだ。今のところプレミアム上昇の理由は南部の洪水によるバージ運航の障害や北部の寒波による鉄道輸送の鈍化など物流の問題が主であるが、これに中国の需要が加わるとさらにコストアップの可能性もある。期先3月限には先週指摘した通り、海上運賃上昇の公算があることから商社勢のつなぎ売りも出にくいという限月であるだけに、期近限月以上に上げ足は軽くなると見る。

 (注)上記の展望は2月22日夕方時点に作成されたものです。

●アナリスト紹介
 第一商品(株)法人部、長田 泰
 現在、法人部にて国際穀物を中心に商社顧客の取引を担当。2017年TOCOM農産物アナリスト育成セミナー修了者。時事通信、日本経済新聞の国際穀物市況等にコメントを提供中。ソイオイル・マイスター。

金地金
金地金3つのメリット本日の金価格 金地金 購入・売却の手順
商品先物取引
初めての商品先物取引商品先物取引の始め方商品先物取引の税金
マーケット情報
海外商品相場国内商品相場ニュース・市況チャートアナリストの目
無料情報ツール
チャート分析ソフトDi-2モバイルサービスEメールサービス金価格メールFAXサービス
商品セミナー
開催スケジュール