長田 泰/アナリストの目

シカゴトウモロコシ、期近に農家売り、ファンド売り集まり軟調
2019/03/01 17:50:12

 来週のシカゴトウモロコシ相場は、期近中心に軟調な展開が継続しそうだ。
 シカゴ期近3月限は14日に納会を迎えるが、納会前月末の2月28日より受渡通知が開始された。トウモロコシは初日に910枚、二日目に1975枚の大量の渡し物が出された。その約半数は大手穀物メジャーA社の自己アカウントから出されており、現物の荷圧迫感が相当強いものと思われる。米国産トウモロコシはこれまで輸出競争力があるとして需要をけん引してきたが、今冬の米国の悪天候の影響がメキシコ湾、太平洋北西岸ともに物流に支障が出始め、輸出港積み地の現物プレミアムは上昇している。
 また、ウクライナの18/19年度のトウモロコシ生産高が前年比5割近い増産となったことで同国産トウモロコシの輸出競争力が強まっており、輸出市場での米国産の優位性に陰りが出てきたとの見方も浮上している。一方で米国内需要もやや鈍化している。週間のエタノール生産量は昨年12月以降、前年を下回る週が目立ち、今年に入ってから前年同期を上回った週はわずか一度しかなく、米国内陸の現物ベーシスは軟調に推移している。
 今週、シカゴ市場の期近3月限と5月限のサヤは一時10セントと今年に入って最も拡大した。今後14日の納会に向けて3月限が一段と下がるようだと5月限に対しても下げ圧力が強まることが予想される。
 米中貿易協議で中国による米国産農産物大量購入合意との話はこれまで何度か米国側から出されたが、輸出成約高等の公式統計にはまだ確認されておらず、市場には失望ムードも漂い始めている。南米ブラジルではサフリーニャコーンの作付けシーズンに入っているが、ここにきて同国産地では適度な降雨により土壌水分は良好と見られており、一期作の大豆がドライな天候で生産高の下方修正が相次いだのとは対称的に早くも豊作観測が出ていることも上値を重くしている。
 CFTCの最新データによると、トウモロコシのマネージドマネーのポジションは1万4693枚の売り越し(2月12日現在)。但し、その内訳は旧穀(19年3月限〜9月限)が5万5604枚の売り越し、その他(19年12月限以降)が4万0910枚の買い越しと、ファンドポジションは期近売り、期先買いのベアスプレッドポジションを組んでいることが分かる。もう一月ほどすると市場の関心は徐々に今年の米国の生育、新穀限月の動向に移って行くが、短期的には現物の荷余り感による期近限月の軟調が市場全体を動きを重くしそうだ。5月限は365〜360セントを下値の目途に軟調な展開か。

 (注)上記の展望は3月1日夕方時点に作成されたものです。

●アナリスト紹介
 第一商品(株)法人部、長田 泰
 現在、法人部にて国際穀物を中心に商社顧客の取引を担当。2017年TOCOM農産物アナリスト育成セミナー修了者。時事通信、日本経済新聞の国際穀物市況等にコメントを提供中。ソイオイル・マイスター。

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