山内 治/アナリストの目

165ページ目のアナリストの呟きは「2つの空席が埋まる頃には」
2019/04/11 15:14:36


4月5日金曜の相場日記
 「21時25分:夏時間に移行し、今月から米雇用統計も一時間繰り上がっての発表。先月のようなサプライズはないと楽観視した予想をしながらも、事前準備を怠ることはなかった。21時30分:定刻通り机上のモニターに数値は表示され、続々とヘッドラインが流れた。注目の非農業部門就業者数は19.6万人増と事前予想の18万人増を上回ったが“20を超えていないなら、予想の範囲内”と一瞬で判断した。その他の数値にも大きなブレはなかった。直後の為替相場はちょっとだけドル強含みで推移。流れを変えるような風は吹かなった。22時00分:“今月は至って静かな米雇用統計の夜だったなぁ”と独り言ち、後を当直番に任せ道玄坂を下る帰路に就いた。」

8日月曜の相場日記
 「東京金先限20円高、反発。先月23日トランプ米大統領は、自らと親しい保守系エコノミストのスティーブン・ムーア氏をFRB理事に指名する意向を表明。利上げ停止にかじを切ったばかりのFRBに対し、さらに利下げへと踏み込むよう圧力を強めた。そして今月4日、トランプはピザチェーン元幹部で2012年大統領選において共和党候補者指名争いに出馬したハーマン・ケイン氏を指名する意向を明らかにした。現在2つ空席となっているFRB理事のポストに、自身の意向を汲んだ人材を置く姿勢を明確にした。実際にそうなれば利下げ見通しが強まるのは必至。よって導かれる答えは“ゴールドは恐ろしく上昇する。東京金、買っておきましょ。” どのようなタイミングで空席が埋まることになるのか、そのアナリストは日夜真剣に注視している。7月×日、FRBの内情をよく知らないトランプは気にいらない理事を突如解任。新たにお友達を理事に指名、加えて利下げ論者の一般公募を表明した。そのアナリストは職業病の悪化を防ぐため、時にあえて真剣を嫌悪する。」

9日火曜の相場日記
 「遅番出勤日の午前10時00分。眠っている間に寄り付いた外は既に明るく、川越街道を走る平日の車の音は世の中の商いに支障がないことを告げていた。晴れていた。なぜか最近体温が上がらないブルガタの心臓を擁した体が、不意に太陽を欲した。眠気を引きずりながら缶コーヒーとスマホを手に屋上に上った。不審者を拒む出入口の少し錆び付いた南京錠は解錠されており、住民だけに与えられた合鍵は必要なかった。昭和の面影を色濃く残したまま固まったカメとゾウさんのベンチは健在だった。隅の方に遠方のスカイツリーを見詰める老人が一人。飛び降りる様子ではないことを確認し、石造りのすべらない滑り台の陰に腰を下ろした。体温が次第に上昇する感覚は心地よく、光が丘公園の桜を望む南側からの風が二度寝を誘った。東京金は続伸し、株は持ち合っていた。幾つかの指値注文を残し、誘われるまま目を閉じた。老人の静かな足音とその気配が遠ざかりしばらくの時が過ぎた頃、浅い眠りの中で穏やかに流れる川を心地よく眺めていた相場人の左胸のポケットを注文成立のお知らせメールが揺らした。ゆっくりと目を開けた。急いで確認する必要もなかった。投資におけるすべてのリスクを受け入れるという精神状態でマインドを制御しながら相場を張っていたから。しかし最近は勝ち得た膨らむ軍資金より失った喜びの度合いが上回り始め、余計なものを身に着けてしまったと少し後悔していた。贅沢な悩みを抱えたまま太陽を背に出入口を施錠し、アナリストを装うための部屋に戻った。」

10日水曜の相場日記
 「東京金先限9円高、続伸。当然でしょ、FRBがハトポッポなんだから。それ以上でもそれ以下でもないし、他に指摘する材料もない。“今晩、米連邦準備制度理事会(FRB)のハト派色が鮮明になった3月の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨が公表される。切っ掛け待ちの買いが膨らみ、上昇する流れが強まると予想している”と夕刊版にコメントし、アナリストとして明日に備えた。」

●アナリスト紹介
 第一商品(株)フューチャーズ24、山内 治
 現在、フューチャーズ24にて、FAX・メール情報に掲載する市況作成等を担当。国際情勢を軸にした、長期的な商品分析を得意とする。

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