長田 泰/アナリストの目

シカゴトウモロコシ、Too Much Rain vs ’Rain Makes Grain’
2019/04/12 19:53:21

 来週のシカゴトウモロコシ相場は、在庫の重さが上値を抑える一方で、中西部の悪天候が引き続き作付け作業を停滞させるとの懸念が残ることから下値も限定的になると思われるものの、ファンドの売り姿勢継続から弱含みの展開を予想する。

 産地の悪天候を前にしながら、作付け開始のこの時期になっても大量のショートポジションを維持するファンドの姿勢は彼らの先安への自信なのか不気味さを感じる。4月2日現在ファンドのショートポジションは26万を超えているが、作付期が終わる5月後半までに20万枚以上のショートポジションを維持していたのは史上最高単収を実現した2017年だけである。
 当時、生育期間では夏場のひと月ほどだけ小幅なロングポジションに転じた以外は年末まで概してショートポジションを維持した年であった。作付面積減少→高単収の当時と作付面積増加の作付意向の今年では状況に違いはあるものの、6年続いた豊作への安心感が極端な不作への警戒を上回っているのかもしれない。

 降雨過多の作付遅延がその年の生産高に大きな悪影響を与えることは作付面積が大幅に減少した年以外にあまりなく、最近の農業技術では畑のコンディションさえ整えば、1週間で3割から4割近くの作付け進捗を実現することも可能なため、作付さえ完了できれば’RAIN MAKES GRAIN’の格言がある通り、作付けが遅れたにもかかわらず豊作になった年も少なくない。
 今週8日に今年最初のトウモロコシ作付進捗率全米平均が発表された。2%進捗は過去平均、昨年実績とも一致、作付初期段階での遅れは数字には表れていない。今週末にかけて米国産地はまとまった降水量が見込まれ、特にコーンベルト北西部中西部にブリザードの爆弾低気圧に襲われている。まだ時間的に余裕はあるため、特段買いの材料にはされていないようだ。’Too Much Rain’よりも’Rain Makes Grain’が優勢といったところか。

 9日に農務省より発表された需給報告では、先月末の四半期在庫報告を踏まえ、市場予想通り期末在庫は上方修正された。予想範囲内ながら節目の20億ブッシェエルを上回ったことで弱気な内容と捉えてよいだろう。今回期末在庫の上方修正の根拠として、各需要分野全般に下方修正されたが、飼料需要に関してみると、トウモロコシは7500万ブッシェル下方修正されたが、他の穀物で飼料需要が上方修正されたものはマイロの1000万ブッシェルしかなく、小麦は1000万ブッシェル下方修正、他は据え置かれている。
 また、トウモロコシのエタノール需要も下方修正されているため、飼料に使用される副産物のDDGS(蒸留かす)の発生も減少する。一方、畜肉生産量も前回から小幅下方修正されているものの、生産高自体は全体で前年を上回る数字となっており、飼料需要の修正が四半期在庫の実績値との整合性を持たせるための調整弁に使われた感がある。
 来月の需給報告から新穀19/20年度の需給バランス見通しが公表開始され、18/19年度は旧穀扱いになる。注目度がやや薄れる段階で早ければ次回にも供給サイドも含めた大幅な修正が行われる可能性があると見ている。

 (注)上記の展望は4月12日夕方時点に作成されたものです。

●アナリスト紹介
 第一商品(株)法人部、長田 泰
 現在、法人部にて国際穀物を中心に商社顧客の取引を担当。2017年TOCOM農産物アナリスト育成セミナー修了者。時事通信、日本経済新聞の国際穀物市況等にコメントを提供中。ソイオイル・マイスター。

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