山内 治/アナリストの目

ニューヨーク金は底固い取引か
2019/05/10 17:24:04

 ニューヨーク金先物相場は、米中貿易協議に対する警戒感が強まる中、下値の固い動きをみせやや買い戻し優勢の取引となっている。
 日本の大型連休中、1日米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が、連邦公開市場委員会(FOMC)終了後の記者会見で金利について「どちらの方向にも動くべき時ではないと見ている」と発言し、政策金利の当面据え置きを示唆。これまでトランプ米大統領がFRBに対し利下げ圧力を強めていたことから目先の利下げを期待する向きもあったが、パウエル議長の発言を受けてこうした向きからの失望感が広がり、金利を生まない資産である金は売られ、一時1267.30ドルまで下落し、継続足で約4カ月半ぶりの安値に沈んだ。

 地合いが軟化する中、米労働省が3日発表した4月の雇用統計は、非農業部門就業者数が予想を大きく上回ったほか、失業率が前月から改善するなど良好な数字が見られた一方、物価上昇の先行指数として注目された平均時給は前月比・前年同月比ともに予想をやや下回る低調な内容。統計発表直後は強弱まちまちだったことから反応は鈍かったものの、統計が消化されると低調な平均時給が改めて意識されたほか、その後発表された4月の米ISM(供給管理協会)非製造業景況指数が低調となり、対ユーロでのドル高基調が一服。ドル建てで取引される金の割高感が後退し、弱地合いでの取引継続は回避され買い戻し優勢の流れとなった。

 その後、9・10両日の米中閣僚級会議の行方に注目が集る中、10日午前0時1分(日本時間10日午後1時1分)事前の予定通り米国は追加関税引き上げに踏み切った。発表直後取引時間中だった日経平均株価は下落。円相場は売り買い交錯し109円台後半でもみ合い、ドル建て金が小幅高水準で反応。大きな混乱はみられなかった。中国商務省は、米国の関税引き上げに遺憾の意を示した上で、「対抗措置を講じざるを得ない」と改めて報復の構えを示した。米中閣僚級会議は継続しており、結果次第の面もあるがニューヨーク金は下値で買い拾われていることで、来週は買い戻し主導で底固い取引を続けそうだ。

 (注)上記の展望は5月10日夕方時点に作成されたものです。

●アナリスト紹介
 第一商品(株)フューチャーズ24、山内 治
 現在、フューチャーズ24にて、FAX・メール情報に掲載する市況作成等を担当。国際情勢を軸にした、長期的な商品分析を得意とする。「商品アナリスト(貴金属)・東京商品取引所認定」を取得。

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