長田 泰/アナリストの目

シカゴトウモロコシ、ようやく天候プレミアム乗せの相場
2019/05/17 20:21:23

 来週のシカゴトウモロコシは、米国産地のトウモロコシ作付け進捗のペース回復があるかがカギであるが、天気予報は進捗の急回復を期待させるものではなく、遅ればせながらの「天候プレミアム」を相場に乗せる堅調な相場展開が続くと予想する。但し、今週のような急伸は期待し難く上下とも値動きは限定的か。

 10日に発表された米農務省需給報告では、新穀トウモロコシの作付面積は3月の作付意向面積(92.8百万エーカー)をそのまま採用、単収も平年並の天候推移をベースにしたトレンドイールド(176.0BPA)を用いているため、供給見通しは既に作付け面積の縮小または単収低下を見込んでいた市場の新穀期末在庫予想(2131百万BU)からすると今回発表された2485百万BUは非常に大きく弱気な数字に見え、発表直後の市場は大きく下押し圧力が掛かり一代安値を更新した。しかし、その後引けにかけては面積・単収修正の先送りとの冷静な受け止め方、作付遅延継続への懸念が優勢となり下げ幅を大きく縮小させた。
 今週は産地の多雨傾向が続いていること、週明けに発表されたクロッププログレスの作付進捗(30%完了)が前週比7ポイント進捗に留まり、依然ペースアップできていないことが確認されたことなどから売り方ファンドのショートカバーが続き、結局15日終値時点で先週の木曜日終値比軒並み25セント以上の上げ幅を記録している。米国産トウモロコシは平年であれば5月10日までに75%以上が作付けされることが望ましいとされ、5月11日以降に作付けされたトウモロコシは1日遅れるごとに単収が少しずつ低下するといわれている。作付けが早めに終わると収穫までの全ての段階において天候からの悪影響を避けることができ、生育期間がトウモロコシより短い大豆は5月25日までに85%以上作付けが終了することが望ましいとされている。
 先に述べた通り今週の作付進捗(5/12時点)は30%と大きく遅れているが、昨年実績(59%)、過去5年平均( 66%)もともに理想とする75%には届いていない。しかしながら、遺伝子組み換え種子効果か、農業技術の進歩のおかげか、米国産トウモロコシの生産は6年連続の豊作中であり、必ずしも作付遅延が生産減少に直結していないというここ数年の経験則がファンド勢に売り安心感を与えていたのかもしれない。

 今年のファンド勢のショートポジションは歴史的な高水準となっている。需給報告前2週でやや減少していたものの、直近の報告では依然30万枚近いショートポジションを抱えている。今週の急伸で買い戻しは進んでいると思われるが、ショートカバー中心に上昇している段階では旧穀限月(7月、9月)中心の上昇となろう。
 理由は二つ。一つはファンドのショートポジションが旧穀限月に集中している事(グラフ参照)、もう一つは今週の急伸で新穀12月限は3月末の作付意向面積発表前の水準に近い400セント目前にまで回復、昨年8月以降410セントを付けておらず、ここから上の水準では農家のヘッジ売りが強まると予想されるためである。新穀限月の投機筋の買いがヘッジ売りを上回るには新穀年度の需給バランスが今年度に続き、タイト化の見通しが台頭するまでは難しいか。今回の需給報告では390百万BUの期末在庫積み増しの見通しが示されていることからすると、それを覆すには相応の時間が掛かると思われ、仮に来週の産地の天候が作付不適と判断される状況でも、上昇幅は10セント内外ではないかと見る。

 (注)上記の展望は5月17日夕方時点に作成されたものです。

●アナリスト紹介
 第一商品(株)法人部、長田 泰
 現在、法人部にて国際穀物を中心に商社顧客の取引を担当。2017年TOCOM農産物アナリスト育成セミナー修了者。時事通信、日本経済新聞の国際穀物市況等にコメントを提供中。ソイオイル・マイスター。

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