高松 政志/アナリストの目

東京原油、4万円割れの可能性も
2019/05/29 15:40:44

 先週の原油相場は大荒れとなった。切っ掛けは22日発表の米エネルギー情報局(EIA)による週間在庫統計。同統計で米国内の原油在庫は前週比で470万バレル増加。ロイター通信がまとめた拡大版予想では60万バレルの減少が見込まれていたが、これに反して大幅積み増しを記録した。
 また、同統計では石油製品在庫も増加。ガソリン在庫が370万バレル増、ディスティレート(留出油)在庫が80万バレル増と、それぞれロイター予想(ガソリン・80万バレル減、ディスティレート・5万バレル減)に反して積み増しとなったため、原油在庫の大幅増と合わせて米国内の供給過剰感が高まる格好。同日の原油相場は売りが殺到した。

 翌23日もEIA統計を受けた供給過剰感に圧迫される中、トランプ米政権が自国企業と中国の防犯・監視システム最大手の杭州海康威視数字技術(ハイクビジョン)との取引を制限する措置を検討しているとの報を受けて二大経済大国による貿易戦争長期化が懸念され、エネルギー需要の先行きに悪影響をもたらすとの見方が広がったことも売りを誘い、同日のニューヨーク原油相場(WTI)は約2カ月ぶりに60ドルの節目を割り込むなど大きく水準を切り下げた。

 こうした背景から東京原油先限も売りが膨らみ、24日の取引では一時4万2040円まで急落。2月中旬以来の安値を付けた。その後は急激に下げた反動で安値拾いの買いが入ったほか、中東地域での地政学的リスクや5月のロシア産油量の減少などを背景に下げ渋ってはいるが、米中貿易戦争の長期化への懸念などから為替が円高に振れており、これが東京原油の割高感を強めていることから戻りの鈍さも見られる。
 28日には米原油の受け渡し拠点を抱えるオクラホマ州で洪水が発生し、原油輸送に影響が出ているとの報が伝わったが、29日の東京原油先限はこうした材料への反応は限定的で、むしろ為替の円高などに圧迫されて地合いを緩める格好。4万3000円台で推移している。

 米国では27日のメモリアル・デーからガソリンの需要期を迎えるとされ、そうした中で30日発表のEIA統計には注目が集まる。ロイター通信の暫定版予想では前週比で80万バレルの減少が見込まれているが、先週同様に予想外の増加となれば再び売られやすくなる。米中貿易戦争長期化への懸念に圧迫されている現状も踏まえると、東京原油先限は前述の24日安値を試すと予想。仮にこれを下抜くようなら2月4日以来となる4万円の大台割れの可能性も出てくる。

●アナリスト紹介
 第一商品(株)フューチャーズ24、高松 政志
 現在、フューチャーズ24にて、FAX・メール情報に掲載する市況作成等を担当。商品市場の経験はまだ浅いが、それ故に先入観なく幅広いニュースや価格変動を結びつけた商品分析を可能としている。「商品アナリスト(貴金属)・東京商品取引所認定」を取得。

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