長田 泰/アナリストの目

シカゴトウモロコシ、作付け面積単収引き下げ確認まで堅調維持
2019/06/01 3:15:52

 来週のシカゴトウモロコシ相場は、産地の湿潤な天候の回復遅れが引き続き相場の支えとなり、テクニカルな調整売りをこなしながら堅調な展開を予想する。7月限の予想レンジは420〜450セント。

 作付進捗の最新データでは、トウモロコシの作付進捗は58%(95年同期71%)、大豆は29%(95年同期31%)と95年当時よりも更に遅れている。95年は5月中旬以降、トウモロコシ作付けの伸びが鈍る一方、大豆はペースアップしていたが、今年はどうか?これまでのところ両者に作付けペースの差は感じられない。米中通商問題があり、米国農家は3月の作付意向面積で大豆作付けを敬遠する姿勢を示したが、素直に大豆にシフトするのか?そもそも作付け作業が可能な畑の状態に天候が回復するのか?トウモロコシの作付け期限が近づくに連れてトウモロコシの種子を売り戻したという農家の声がある一方、種子ディーラーには生育期間がより短期のトウモロコシ品種を求める農家が増えているという。価格急騰を受けて農家は可能な限りトウモロコシを植えようと考えているのではないだろうか?

  国際穀物理事会(IGC)は30日、月例報告を発表、その中で2019ー2020年の世界のトウモロコシ生産量を米国の作付け遅延を踏まえて700万トン下方修正した。5月の需給報告の単収を据え置きとするとおよそ作付け面積170万エーカー減少に相当する。現在の市場観測では既に作付け面積200万〜300万エーカー減少プラス単収引き下げが織り込まれてると見られ、IGCの予想並の数字が6月の需給報告で示された場合は弱気材料と判断されるのでは。

 5月の需給報告以降、わずか3週間で80セント以上急騰し、オシレーター系のテクニカル指標は軒並み買われ過ぎを示している。そのため高値警戒の売りは出やすく今週の29日の反落はそうした調整安のひとつだろう。しかし、翌日にはすぐに切り返すなど相場は容易に崩れるムードにない。天候相場入りしているトウモロコシ相場にとって米国産地の降雨過多による作付け遅延という現在最大の材料の結果が11日の需給報告、28日の作付け面積報告の内容を待たなければならないため、それまでは地合いは維持されると見る。では当面の相場の上値目標、下値支持はどのあたりになるかを探る上で、新高値を更新しチャート上の節目を見つけにくい時、オプションの取組状況を見ることが非常に有効であると考えている。
 グラフ上段は以前当欄で紹介した今年4月第3週時点の取組状況。下段は直近30日大引け時点の取組状況、それぞれ左が7月限、右が12月限である。上段は旧穀である7月限は特にプットとコールの最大取組権利行使価格が接近している上、原市場価格がプットの最大取組権利行使価格を下回るという圧倒的に弱気派優勢の状況から下段に移ると逆に強気派優勢の状況に転じているという様変わりで、正に「ファンダメンタルズが全ての材料に優先する」という格言を見せつけられているようだ。現在は長く続いたレンジ相場中に形成されたプットとコールの取組高が狭い範囲で集中するという状況が崩れ、新たな構成をを組み始めている状況と言える。
 そこで30日の取組の変化を見ると、まず7月限ではコールの450セント、490セントが1日で7,000枚前後取組を増やしている。まだ450セントで2万枚、490セントで1万枚ほどの取組しかないが、短期的には450セントが上値抵抗戦になるであろう。一方、プットでは原市場価格の430セントを下回る400〜420セントのゾーンに分散して1,000枚前後の取組が増え初めておりこの辺りのどこかで取組が2万枚を超えてくると支持線を引き上げることになるだろう。12月限に関しては、500セントの取組高が1日で5,500枚以上増え計3万枚台半ばに増加、当面の上値目標として意識されるだろう。また550セントも現在8,400枚ほどの取組しかないが、30日の取引では2,000枚以上増加しており、500セントの次の上値抵抗(上値目標)となり得るだろう。

 (注)上記の展望は5月31日夕方時点に作成されたものです。

●アナリスト紹介
 第一商品(株)法人部、長田 泰
 現在、法人部にて国際穀物を中心に商社顧客の取引を担当。2017年TOCOM農産物アナリスト育成セミナー修了者。時事通信、日本経済新聞の国際穀物市況等にコメントを提供中。ソイオイル・マイスター。

金地金
金地金3つのメリット本日の金価格 金地金 購入・売却の手順
商品先物取引
初めての商品先物取引商品先物取引の始め方商品先物取引の税金
マーケット情報
海外商品相場国内商品相場ニュース・市況チャートアナリストの目
無料情報ツール
チャート分析ソフトDi-2モバイルサービスEメールサービス金価格メールFAXサービス
商品セミナー
開催スケジュール