長田 泰/アナリストの目

シカゴ穀物、11日需給報告に注目
2019/06/07 16:36:00

 来週のシカゴ穀物相場は11日に公表される6月度の米農務省需給報告の米国産新穀生産高に注目が集まりそうだ。トウモロコシは短期的には売られやすい展開が続きそうだが、それでも下値は400セント台で支えられるだろう。

 ロイター通信が民間の予想をまとめた6月農務省需給報告のトウモロコシの生産高、単収の予想平均は142億5100万BU、172.4BU/エーカーと前回の150億3000万BU、176.0BU/エーカーを大きく下回る。これを基に作付面積を導くと作付意向面積と同水準だった5月需給報告の9280万エーカーから8990万エーカーへ下方修正されることを見込んでいるようだ。最新の農務省によるクロッププログレス(6月2日現在)によれば、トウモロコシの作付進捗は全米で58%と例年ならほぼ作付けを完了して良い時期に6割程度しか進んでおらず、また作付け遅れが主産地を多く含んでいることから試算では未だ作付けが完了していないトウモロコシの畑は3000万エーカーに上るという。既にトウモロコシの作付け適期は過ぎており、どこまで挽回できるか?
 一方、大豆の民間の生産高、単収の予想平均は41億2300万BU(前回農務省4150万BU)、49.0BU/エーカー(同49.5BU/エーカー)。同じくこれを基に作付面積を導くと8500万エーカーと、前回の農務省予想の8460万エーカーを上回ることになる。トウモロコシから大豆への作付シフトを見込んでいるようだ。

 米農務省は、需給報告では月初の調査データを基にその後の天候推移は平年並みとの前提に立って見通しを発表する。従って6月に入ってからの遅れ分は加味されない。そのため今回のトウモロコシにおいては作付け面積、単収とも控えめな修正に留まるのではないかと見ている。また、大豆に関しては作付適期が6月一杯まで残されていること、米中通商問題の長期化による大豆価格の低迷と例年以上に不透明部分が多いため、大豆の供給サイドに関しては判断の先送り(据え置き)とする可能性も5割ぐらいあるのではないかと見ている。結果、今回の需給報告は市場予想よりもトウモロコシは弱め、大豆は修正わずかで強弱判断つけにくいという評価になりやすいと見ている。

 今週のトウモロコシ相場は3週間に渡る急騰の後、ようやく調整局面を迎えた。その間にファンドのポジションは30万枚近い極端な売り越しからほぼスクウェアになっている。また、ファンダメンタルズでは今週の輸出成約高では旧穀トウモロコシは純成約高がマイナス8800トンと価格急騰による需要減退が示されており、短期的には上値更新を狙う前に下値を固める局面が先行しそうだ。大豆についてはまだしばらくトウモロコシに追随する展開か。
 但し、予想通り弱めの数字により一時的に売られることはあっても、需給報告発表後の2週間半後の今月末には作付面積報告、全米四半期在庫報告という大きな発表を控えているため、ひと月前の安値水準に戻るということは考えにくく、トウモロコシでは400セント台の高値圏で下値を支えられる展開が月内は続くのではないだろうか。

 (注)上記の展望は6月7日夕方時点に作成されたものです。

●アナリスト紹介
 第一商品(株)法人部、長田 泰
 現在、法人部にて国際穀物を中心に商社顧客の取引を担当。2017年TOCOM農産物アナリスト育成セミナー修了者。時事通信、日本経済新聞の国際穀物市況等にコメントを提供中。ソイオイル・マイスター。

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