長田 泰/アナリストの目

シカゴトウモロコシ、6月需給報告受け12月限は目先5ドルに迫る?
2019/06/14 17:59:21

 来週のシカゴトウモロコシ相場は、6月の需給報告の強気な内容、それを覆すことができない産地の天候推移により、強気に方針転換したファンドは益々買いの姿勢を強めるだろう。目先、7月限は450セント付近で一旦頭打ちの可能性あるも、現在455セント前後の新穀12月限は480セント〜500セント付近を当面の目標に騰勢を一段と強めるだろう。

 注目された需給報告の米国生産高見通しは市場予想の142億5100万ブッシェルに対し、136億8000万ブッシェルと大きく予想を下回った。作付面積は300万エーカー下方修正はともかく単収見通しが166ブッシェル/エーカーへと10ブッシェル/エーカーも引き下げられ、サプライズとなった。一般的に農務省は見通し修正を段階的に行う傾向があり、現在、ロイター通信は事前予想をまとめる際に、『農務省の今回の発表数字』の予想と『各民間調査機関自身の予想』と二本立てで集計している。これによると農務省数字に対する予想は上記の通りだが、調査機関自身の生産高予想平均は136億5100万ブッシェルと、決して今回の農務省数字があり得ない(ほど強気)というものではない。
 今週発表の作付進捗は83%。トウモロコシの「最終作付日付」を過ぎ平年、昨年とも99%完了しているこの時期になお17%も未作付の畑を残している今年度は、農務省作付け見通し(意向面積比300万エーカー、3.2%減)は、今後も農家はトウモロコシの作付挽回を見込んでいるわけだが、その挽回面積、作付時期遅れによる単収減少への影響は、過去のデータがあまりにも少ないため、大きな強気材料となった今回の農務省報告を覆すには、作付面積がはっきりし(6月28日作付面積報告)、相場上昇による需要減退が確認(6月28日全米四半期在庫報告)され、かつ、順調な生育推移(7月〜8月)が確認されないと難しいだろう。
 今週の相場切り返しによりシカゴ市場の期近7月限、12月限とも直近の高値を上抜きそれぞれ一代高値を更新した。新高値更新によりチャート上の上値目標が見通しにくいが、現物在庫が多く450セントコールの取組が厚いオプションの取組状況からは7月限は一旦450セント付近で頭打ちか?但し、6月21日にオプション納会を控え現在のインザマネーポジションの残玉はコールがプットの100倍以上あり、決して弱気できる状況にない。
 急激な相場上昇により米国産トウモロコシの輸出競争力低下を危惧する声が聞かれるが、今週メキシコが17万トンの米国産トウモロコシ成約が報告されている。安値覚えで買い付けを躊躇している輸入国は米国の隣国のメキシコが高値にも関わらず積極的に買い付けを行ったことは気掛かりでどこまで当用買いに徹することができるか疑問だ。一方、新穀12月限はガンガンの強気対処で良い局面とみる。天気予報では向う10日間クール&ウェットの予報が出ている。また、米国産トウモロコシの大減産予想を覆すには時間が1〜2カ月は必要であろうことから、ネットロングに転じて日が浅いファンド勢はさらに積極的に買いを進める可能性が大きい。オプションの12月限の取組状況ではコールの残玉が集中している権利行使価格は500セント。今週の上昇時にもコールの取組は510セント、520セントなど500セントを超える水準の取組が増加傾向にあるなど上値指向が強いことが窺える。

 (注)上記の展望は6月14日夕方時点に作成されたものです。

●アナリスト紹介
 第一商品(株)法人部、長田 泰
 現在、法人部にて国際穀物を中心に商社顧客の取引を担当。2017年TOCOM農産物アナリスト育成セミナー修了者。時事通信、日本経済新聞の国際穀物市況等にコメントを提供中。ソイオイル・マイスター。

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