高松 政志/アナリストの目

東京原油の先安感は強い
2019/06/18 15:37:12

 中東の原油輸送の大動脈であるホルムズ海峡近くのオマーン湾で13日、日本の海運会社「国華産業」が運航するパナマ船籍のケミカルタンカーを含む2隻のタンカーが攻撃を受けた。攻撃主体が何者かは不明だが、サウジアラビアやアラブ首長国連邦(UAE)、ノルウェーの予備調査は「国家による攻撃の可能性」を指摘した。
 ボルトン米大統領補佐官(国家安全保障担当)は「イランの機雷が使われたのはほぼ間違いない」と述べ、トランプ米大統領もタンカー攻撃は「イランがやった」と非難。英国やイスラエルなどもこれに同調するなどイラン包囲網を強めているが、これに対しイラン側は関与を否定するなど対立が深まっており、こうした緊張感の高まりが原油供給への不安につながり、原油相場を支えている。

 一方、国際エネルギー機関(IEA)が14日公表した月報で、今年の世界石油需要見通しを日量120万バレルと従来予測から10万バレル下方修正。IEAは引き下げの背景として「貿易見通しの悪化が全ての地域で共通のテーマになっている」と指摘した。
 これに先立ち、米エネルギー情報局(EIA)と石油輸出国機構(OPEC)も同様に今年の石油需要見通しを下方修正しており、主要エネルギー機関が相次いで見通しを引き下げたことから、米中貿易摩擦激化の長期化などを背景としたエネルギー需要減退懸念は強まっている。

 今後の注目はOPEC主導の協調減産の行方。ロシアなどのOPEC非加盟産油国を含む「OPECプラス」の協調減産合意は6月で終わり、今後の方針を決めるため関係各国は数週間以内に会合を開く。OPEC総会は25日に、OPECプラス会合が26日に予定されているが、関係筋によるとロシアは7月上旬への日程変更を示唆している。
 こうした中、サウジアラビアのファリハ・エネルギー産業鉱物資源相は16日、長野県軽井沢町で開かれた20カ国・地域(G20)エネルギー・環境関係閣僚会合に参加した際、協調減産の延長で合意することを望んでいると述べた。同相は「2週間後にウィーンで会った際に我々の合意の延長で一致することを望んでいる」と語り、会合の時期については「恐らく7月第一週になるだろう」と答えた。

 東京原油先限は今月3日に約4カ月ぶりに4万円の大台を割り込むと、6日の取引で3万6840円の安値を付け、年初来安値(1月4日の3万6110円)を試したが、その後は世界的なエネルギー需要減退懸念と中東での地政学的リスクの高まりを背景に強弱材料が混在。方向感の定まらない値動きが続いている。
 仮に今後、OPECプラスが協調減産の延長を決定すれば需給引き締まりへの期待から値を伸ばす展開が見込まれるが、米国ではドライブシーズン入りしているにもかかわらず原油在庫の増加基調が続いており、加えて原油生産が過去最高を更新するなど供給過剰感が高まっている上に、世界的なエネルギー需要減退への懸念が根強いことも踏まえると先安感は強く、前述の6日安値あるいは年初来安値を試す可能性は高いとみている。

●アナリスト紹介
 第一商品(株)フューチャーズ24、高松 政志
 現在、フューチャーズ24にて、FAX・メール情報に掲載する市況作成等を担当。商品市場の経験はまだ浅いが、それ故に先入観なく幅広いニュースや価格変動を結びつけた商品分析を可能としている。「商品アナリスト(貴金属)・東京商品取引所認定」を取得。

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