村上 孝一/アナリストの目

米FOMC、年内利下げを示唆するか
2019/06/19 15:36:31

 欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は6月18日、ポルトガルのシントラで講演し、インフレ目標の達成が危ぶまれる状況となれば「追加金融緩和が必要」と述べ、利下げなどの緩和策も辞さない姿勢を示した。市場では年内の米利下げ観測が広がる中、ドラギ総裁の追加金融緩和を示唆する発言は、金利の付かない資産である金には支援材料となり、同日のNY金の終値は1350.70ドルと、中心限月ベースでは2018年4月中旬以来となる1350ドル台乗せとなった。
 米連邦準備制度理事会(FRB)が日本時間6月20日午前3時に、連邦公開市場委員会(FOMC)声明と参加者の経済・政策金利見通しを公表した後、午前3時30分にパウエル米FRB議長の記者会見が行われる。
 市場では今会合で政策金利(現在、年2.25〜2.50%)は据え置かれるとの見方が多いものの、次回7月会合以降の利下げを示唆するとの観測が広がっており、声明、参加者の政策金利見通し、パウエル議長の会見で7月以降の利下げを示唆されるかが焦点。
 CMEグループのフェドウオッチによると、今会合で0.25%の利下げが決定される確率は24%(18日現在)となっているが、今会合で2008年12月以来10年6カ月ぶりに利下げが決定されれば、金相場にとっては“ポジティブ・サプライズ”となることが予想される。また、市場では参加者の政策金利見通しで2019年は「年内据え置き」となるとの見方が多いが、年内の利下げを想定する参加者が複数出るようだと、金利の付かない資産である金にとっては支援材料になるだろう。
 一方、7月以降の利下げを示唆する文言などがなければ、金相場にとっては“ネガティブ・サプライズ”となり、NY金は買い越しポジションが膨らんでいるファンド筋の手じまい売りが殺到し急落する可能性がある。米商品先物取引委員会(CFTC)が発表したNY金の建玉明細によると、6月11日現在のファンド筋の買い越しポジションは18万4238枚(573トン)と、2018年3月27日の20万3354枚(633トン)以来約1年3カ月ぶりの高水準。

 東京商品取引所の金先限は6月17日に一時、4707円と、3月1日(4710円)以来約3カ月半ぶりの高値を付けた。今回の米FOMC結果が“ポジティブ・サプライズ”となれば、2月20日に付けた今年の最高値4789円を突破し、2015年2月の高値4844円を試しに行く可能性がある。一方、“ネガティブ・サプライズ”となれば、100日移動平均線(6月19日現在:4608円)を割り込み、200日移動平均線(同:4505円)を試しに行く可能性がある。
 ただ米FRBが今会合で、2015年末から開始した緩やかな利上げ方針を年内に利下げ方針に転換することを示唆すれば、今後も金相場を支える材料となり、東京金の先限は年初来高値を目指す動きになることが予想される。

●アナリスト紹介
 第一商品(株)フューチャーズ24、村上 孝一
 現在、フューチャーズ24にて、ファンダメンタルズ分析と市況作成を担当。時事通信社、日本経済新聞社に貴金属・石油市況等のコメントを提供中。

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