長田 泰/アナリストの目

シカゴ穀物、もみ合い
2019/07/05 21:46:53

 来週のシカゴ穀物相場は、もみ合いの動きか。予想レンジはトウモロコシ410〜460セント、大豆は870〜920セント。11日の米農務省需給報告に注目が集まるが、今回の需給報告には先月末発表の作付面積報告の数字が用いられる。今年は歴史的な作付け遅延により計画段階の数字が多く含まれているため、トウモロコシ、大豆とも今月再調査を行い8月に調査結果が公表される。そのため、今月の需給報告の数字は強弱どちらの数字が出ても決定的な材料とはなりにくそうだが、現状の数字をもとに需給報告の内容を予想してみたい。

【トウモロコシ】
 11日に発表される需給報告では先月末に発表された作付面積報告が反映され、トウモロコシの作付面積は9170万エーカーへと前回の農務省見通しの8980万エーカーから上方修正される。先月末の発表当日は作付面積が弱気サプライズとなり、同時に発表された四半期在庫は強気材料だったものの、これは無視され同日の市場は一時制限安まで売られた。しかし、今週に入り単収の低下観測から切り返している。
 農務省は6月の需給報告で作付遅延を理由に作付面積を300万エーカー引き下げたが、既に作付適期を過ぎていることで単収を傾向単収から10ブッシェル引き下げた。今回の作付面積は農務省の想定から『さらに無理して』トウモロコシを植えることになり、農務省の想定ではさらに単収・収穫率とも下がると考えられる。ただ、今年はネブラスカ、カンサスなど、例年降雨不足が問題となり灌漑施設頼みのコーンベルト西域は多雨が奏功し生育が順調と伝えられている。そのため、コーンベルト東域の単収低下をある程度相殺するものと考えられ、単収引き下げ幅はさほど大きくないかもしれない。それでも収穫率の引き下げを考慮すれば生産高は前回と同水準、もしくは若干の下方修正も充分考えられる。
 旧穀需要は輸出が直近のデータで成約ベースで前年同期対比85%、輸出実績では98%。農務省見通しは前年度比90%を見込んでいるため、今回修正する必要はないだろう。エタノール需要はこれまでの消費実績は農務省年間見通しを下回っているが緩やかに上向いており、また全米四半期在庫報告の良好な数字を映し、飼料需要と合わせ国内需要は上方修正されるだろう。結果、新穀は期初在庫、生産高がともに下方修正され、期末在庫は5000万〜1億ブッシェル下方修正されると予想する。

【大豆】
 大豆の作付面積は8000万エーカーと発表された。これは意向面積を460万エーカーも下回る。トウモロコシの作付遅延は大豆への作付シフトを呼ぶ可能性があったが、両者の価格差もあってか農家はトウモロコシ作付けを優先する選択をした。そのため大豆は比較的『無理をせず』作付けを行うことになり、今回の需給報告での単収は据え置かれる可能性が高いと見る。これにより生産高は2億4000万ブッシェル近く下方修正されるだろう。
 旧穀需要は昨年来好調だった圧砕需要の低下が顕著になっている。昨年来米中貿易戦争で米国産大豆輸出が低迷する一方、米国内圧砕需要は設備稼働率限界の日量590万ブッシェル台に近い水準で推移していたが、中国アジア地域でのアフリカ豚コレラによる飼料需要減退があり、大豆の圧砕マージンが低下している。例年大豆収穫期の10月から翌年3月、4月頃までは圧砕稼働率は高いものの、端境期に向けて稼働率は下がる傾向にある。
 それでも昨年は端境期も高水準を維持していたが、5月の圧砕量は日量530万ブッシェル台へと前月までの570万ブッシェエル超から大きく落ち込んだ。このため今回圧砕需要は5000万ブッシェル下方修正され、同量期末在庫は上昇修正されると見る。新穀供給は期初在庫の上方修正が一部相殺するも生産高の下方修正により約1億9000万ブッシェル下方修正される。一方、需要面では圧砕需要中心に1億〜1億2500万ブッシェル下方修正され、期末在庫は約9億7000万ブッシェルに下方修正されると予想する。

(注)上記の展望は7月5日の夕方時点に作成されたものです。

●アナリスト紹介
 第一商品(株)法人部、長田 泰
 現在、法人部にて国際穀物を中心に商社顧客の取引を担当。2017年TOCOM農産物アナリスト育成セミナー修了者。時事通信、日本経済新聞の国際穀物市況等にコメントを提供中。ソイオイル・マイスター。

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