長田 泰/アナリストの目

シカゴトウモロコシ、需給報告の弱い数字は消化、天候懸念が下値を支える
2019/07/12 19:56:01

 来週のシカゴトウモロコシは、産地の天候推移を睨みながら底固く推移か。12月限の予想レンジは435〜465セント。
 米農務省が11日発表した7月の農産物需給報告では、作付面積が6月末の作付面積報告の数字9170万エーカー(6月需給報告比190万エーカー増)が採用される一方で、単収は据え置かれたため、2019〜20年度の米国のトウモロコシ生産予想は市場予想を上回る弱い内容となった。しかし当日のシカゴ相場は、発表直後こそ弱い動きとなったものの、下げ幅は限られ、むしろ大引けにかけては米国以外の世界生産高が1000万トン近く下方修正された小麦の強い動きににつれて上昇して取引を終えており、今回のトウモロコシの弱い数字は消化が完了した印象だ。作付面積報告の数字はその調査段階で15%がまだ作付けされていない状況であったこともあり、農務省は今月再調査を行い、次回8月の生産高見通しに反映させるとしている。
 6月中の産地の天候を踏まえ市場観測では作付面積は下方修正される公算。作付面積報告に対する懐疑の目は今回の需給報告でも払拭はされていないようだ。また、トウモロコシの生育ステージ上、最も重要な受粉期に差し掛かるが、この時期は十分な水分を必要とし、気温も摂氏38度を超えると受粉失敗のリスクが高まる。今年は作付が極端に遅れたことで受粉のタイミングは7月下旬〜8月上旬へと最大2週間程度後ズレし、真夏の時期にぶつかる。最新の8−14日天気予報ではコーンベルト一帯に高温乾燥予報が出ており、天候リスクへの警戒感を背景に、相場は下がりにくいだろう。
 今回の需給報告では、旧穀の輸出需要が下方修正された。農務省の説明によれば5月以降の米国産トウモロコシ急騰により輸出にブレーキがかかったことが要因とされる。実際、輸出国の主要港別トウモロコシ現物価格は米国産が最も高くなっており、米国産の輸出競争力が低下しているように思われる。但し、一方で、ここのところ海上運賃が上昇しており、アジア向けなどのトータルコストは積み地ほど差はないと思われる。特に今秋以降は、国際海事機関(IMO)の環境規制強化がさらに海上運賃上昇に繋がると見込まれており、米国産トウモロコシへの引き合いはさほど緩まないと見る。また、海上運賃の上昇は直接東京市場のコストアップ要因であり、現在の東商取の限月間スプレッドが11月限を除き同値圏にあることは、中限以降の20年渡しの限月について割安感を感じる。

 (注)上記の展望は7月12日夕方時点に作成されたものです。

●アナリスト紹介
 第一商品(株)法人部、長田 泰
 現在、法人部にて国際穀物を中心に商社顧客の取引を担当。2017年TOCOM農産物アナリスト育成セミナー修了者。時事通信、日本経済新聞の国際穀物市況等にコメントを提供中。ソイオイル・マイスター。

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