長田 泰/アナリストの目

シカゴトウモロコシ、戻り足は鈍い
2019/08/16 20:27:27

 シカゴ相場は今週だけで50セント近い急落を見せた。12日に米農務省が発表した8月の農産物需給報告で、市場予想に反して単収や生産量が引き上げられたためだ。それでもなお最終生産高は下方修正されるとの見方は根強いが、供給が引き上げられた上、同時に需要サイドも大きく下方修正されたことは市場ムードを非常に重くした。

 シーズン序盤の天候不順の影響で、クロップ・コンディションは昨年までの豊作時とは見劣りするが、受粉期の産地の天候が高温・乾燥とならなかったため、深刻な状況ではなくなっている。不作の可能性が遠のいたということで天候相場はいったん勝負ありといったところか。

 急落の後で買戻しの動きもあり週末にかけて戻りを見せたものの、戻り頭は重くなるのではないか。今回の需給報告では需要面でエタノール需要、輸出需要が下方修正された。特に輸出需要は1億ブッシェル(255万トン)と大幅に下方修正された。米中貿易摩擦の影響で大豆の中国向け輸出が急減し、そのあおりを受け今年の米国作付け面積はトウモロコシに大きくシフトする意向となり、投機筋の売り人気も強かった状態から、春の天候不順による作付遅延が相場観を一変させトウモロコシ相場を4ドル台へと押し上げた。しかしその間に米国の輸出競争力も大きく削がれることとなってしまったようだ。世界全体で見るとトウモロコシの貿易量は増加傾向にあるものの、米国の輸出量は18/19年度、19/20年度とも減少、シェアも米国が不作だった12/13年度を除くと過去最低水準の30%割れ目前にまで落ち込む見通しだ。
 ここ数年の世界のトウモロコシ輸入量増加は中国の輸入増が大きな要因となっているが、米中貿易摩擦の影響下、中国は容易に米国からの買い付けを増やしていない。また、今年は同国向け農産物輸出を強化しているウクライナが豊作見通しにあることもあり、米国産がよほど輸出競争力が強くならない限り、輸出需要需要は高まらないのではないか。今年は生育期間が後ズレしているため早霜懸念が残るため当面は3ドル台後半を維持するだろうが、4ドル回復のハードルはかなり高くなったと思え、出来秋から来年初めにかけて3ドル台前半に沈む可能性もありそうだ。

 (注)上記の展望は8月16日夕方時点に作成されたものです。

●アナリスト紹介
 第一商品(株)法人部、長田 泰
 現在、法人部にて国際穀物を中心に商社顧客の取引を担当。「商品アナリスト(貴金属)・東京商品取引所認定」、「商品アナリスト(穀物)・東京商品取引所認定」を取得。2017年TOCOM農産物アナリスト育成セミナー修了者。時事通信、日本経済新聞の国際穀物市況等にコメントを提供中。ソイオイル・マイスター。

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