高松 政志/アナリストの目

東京原油、4万円回復なるか
2019/09/11 15:30:38

 イランは6日、核合意の第3弾履行停止措置としてウラン濃縮用の遠心分離機に関する研究開発の制限を撤廃。翌7日には、イラン原子力庁報道官が核合意で定められた上限を既に突破しているウラン濃縮度について「20%以上に拡大させる能力は持っている」と語った。
 一方で同報道官は「現時点で20%に引き上げる計画はない」とも述べており、濃縮度引き上げの可能性をちらつかせることでイランに合意存続を求める欧州当事国を牽制し、原油取引再開などの経済的利益を速やかに提供するよう促すのが狙いとみられている。
 また、英領ジブラルタル沖で拿捕され、後に解放されたイランの石油タンカーが、シリア西部タルトゥス沖合に停泊している様子が7日までに米宇宙技術企業の衛星画像で確認された。タンカーは7月初旬、欧州連合(EU)の制裁に違反してシリアに原油を輸送していた疑いで拿捕された。イランがシリアに行かないと確約したとして8月に解放されたが、シリアに停泊していることが確認されたため、イランは確約を破った形となる。
 トランプ米政権は今月下旬の国連総会に合わせてイランとの首脳会談実現を模索しているが、その行方に影響を及ぼす可能性もある。ボルトン米大統領補佐官(国家安全保障担当)は6日、ツイッターで「イランは自国民より(シリアの)残忍なアサド政権を支援する方が重要と考えている。我々は対話できるが、イランは嘘とテロ拡散をやめるまで制裁緩和を得られない」と警告。米国がイランに対してさらに態度を硬化させる可能性も出ている。

 一方、サウジアラビアはファリハ・エネルギー相を解任。ファリハ氏は国営石油会社サウジアラムコの会長職からも解任されており、市場筋の間では「ファリハ氏がアラムコの新規株式公開(IPO)に消極的だったことなどが今回の解任につながった」との声も聞かれた。ファリハ氏のエネルギー相解任をめぐり、別の市場筋は「サウジがアラムコのIPOを成功させるため、原油価格を上昇させるべく石油市場の支配を強化するのではないかとの観測が出ている」と指摘する。
 サルマン国王はファリハ氏の後任にアブドルアジズ・ビン・サルマン王子を任命した。サルマン王子は長らく石油輸出国機構(OPEC)のサウジ代表団のメンバーを務め、現在のOPECと非OPEC主要産油国との減産協定の交渉にも関与している。
 アブドルアジズ新エネルギー相は8日、サウジの石油政策に「抜本的な」変更はないと強調。政策は埋蔵量やエネルギー消費など戦略的な検討に基づいたものだと述べた。9日には石油市場の均衡を達成するため、他の産油国と協力していくとともに、OPEC主導の協調減産は「全ての関係者の意志」があって存続すると表明。また、OPECとロシアなど非加盟産油国で構成されるOPECプラスについては「長期的に続く」と話すとともに、OPEC加盟国に生産目標の順守を求めた。

 イラン情勢の緊迫化と、サウジのエネルギー相解任をめぐる思惑、さらに新エネルギー相による協調減産維持の表明などを受け、原油相場は地合いを引き締めている。東京原油先限はこれらに加え、為替の円安基調により生じた割安感にも支えられ、上値を伸ばす格好。テクニカル面でも4日から10日まで5営業日連続で陽線引けとなるなど地合いの強さを示しているため、目先は8月2日以来となる4万円の節目回復を試す展開を想定したい。

●アナリスト紹介
 第一商品(株)フューチャーズ24、高松 政志
 現在、フューチャーズ24にて、FAX・メール情報に掲載する市況作成等を担当。商品市場の経験はまだ浅いが、それ故に先入観なく幅広いニュースや価格変動を結びつけた商品分析を可能としている。「商品アナリスト(貴金属)・東京商品取引所認定」を取得。

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